沖縄から学ぶ平和の大切さと軍事状況の現実に迫るイベント
2023年8月7日、東京都新宿区にあるパルシステム連合会は、「被爆・戦後80年沖縄から伝えた“今を戦前にしない”ためすべきこと」というテーマのイベントを開催しました。このオンラインイベントには160名以上が参加し、沖縄の歴史や現在直面している軍事的な危機に関する重要な議論が交わされました。
軍事配備強化と沖縄の状況
イベントでは、元琉球新報論説委員長で沖縄国際大学の教授である前泊博盛さんと、沖縄タイムスの赤嶺由紀子さんが講演を行い、沖縄の強い軍事的圧力について詳述しました。沖縄には、国内米軍基地の約7割が集中しており、返還以降も自衛隊基地が増加し続けており、現在では57の施設が存在します。
最近では、南西諸島を中心に軍事配備の動きが加速しており、特に九州全域を含む地対艦ミサイル部隊の配備が進められています。これらは中国の軍事力増強が背景にあるとのことです。前泊さんは、「万が一の事態には沖縄が真っ先に攻撃を受ける可能性がある」と危機感を訴え、そのための防止策として米国との協力関係や経済連携の重要性を指摘しました。
戦争の実相と平和のメッセージ
赤嶺さんは、沖縄タイムスが取り組む沖縄戦に関する報道について紹介し、戦後80年を迎えるにあたり「鉄の暴風吹かせない」という特集を通じて、戦争の実相を伝えることの重要性を強調しました。特に、家族にも語れない集団自決の痛みや、心に残る傷がどのように世代を超えて影響を与えているかを深く考察しました。
また、赤嶺さんは「新聞を読まない若者への情報発信」が今後の課題であると指摘し、適切な情報を広める活動の必要性に言及しました。
軍事化と戦前の危険性
こうした中で、前泊さんと赤嶺さんは、現在の日本が「戦後」でありながら同時に「戦前」の状態に入っていることを議論しました。特に、2023年度からの急激な軍事費の増加や装備資材の大幅増強に関する計画が進められていることが懸念されています。閣僚の中には核配備についても前向きな意見を持つ者がおり、このことも恐れられます。
彼らは、有権者一人一人が投票を通じて平和な社会をつくることの重要性を再確認しました。具体的な行動として、SNSに頼るのではなく、信頼できる情報源である本や新聞を活用し、適切な政策立案者を見出すことが求められます。
未来に向けての期待
今回のイベントを通じて、参加者には日常生活の中で平和を築くための小さな行動が重要であることが強調されました。前泊さんは、自衛隊を災害救助隊として特化させる提案を示し、政治的関与の必要性を訴えました。全体として、「一人の行動と連携が平和活動の基盤である」と述べ、参加者に希望を持つように促しました。
このようなイベントを通じて、沖縄の歴史やその教訓が、私たちが平和を維持するための手助けになることを願っています。2025年の国際協同組合年に向けて、これからもより多くの人々が平和に向けての意識を高めていくことを期待しています。