環境建築「SUSTIE」
2025-08-18 13:27:16
世界最大級の環境建築賞でアジア地域優秀賞を受賞した「SUSTIE」の取り組み
世界最大級の環境建築賞を受賞した「SUSTIE」
三菱電機株式会社が展開するZEB関連技術実証棟「SUSTIE」が、この度、米国暖房冷凍空調学会(ASHRAE)の主催する世界最大規模の環境建築技術賞においてアジア地域優秀賞を受賞しました。この賞は、居住者の快適性や室内空気質、省エネルギーといった観点から革新的な環境建築を評価するもので、SUSTIEは新築オフィス部門において「Regional Winner」として高く評価されています。
「SUSTIE」は神奈川県鎌倉市に位置し、三菱電機株式会社、三菱地所設計、早稲田大学が共同で設計と運用を行っている中規模オフィスビルです。2026年には世界最優秀選考へと進むことが決定しており、サステイナブルな社会実現に向けた重要なステップといえるでしょう。
環境に配慮した最高評価獲得
この建物は、環境負荷の低減と快適性の向上を追求するため、建築物省エネルギー性能表示制度「BELS」で最高評価の『ZEB』を取得しました。さらに、CASBEE-スマートウェルネスオフィスにおいても最高評価の「Sランク」、WELL認証においても最上位の「プラチナ」を獲得しており、日本初の中規模オフィスビルとなっています。
省エネと快適を実現する設計
1. 多重効果の設計アプローチ
「SUSTIE」は、まず開口部や庇を活用することで自然エネルギーを最大限に活用する『パッシブデザイン』を基本にしています。これに加えて高効率な設備機器を導入し、『アクティブデザイン』を取り入れることで、高度な省エネルギーを実現しました。特に家庭用の太陽光パネル(約360kW)を全てビルの屋上に設置したことで、都市部においても中規模ビルとしての『ZEB』を実現することが可能になりました。
2. 自然エネルギーの駆使
北側に設けた大吹抜空間を活用することで、明るさを確保し日中の照明を不要にしました。自然換気や重力換気といった方法を取り入れることで、空調負荷も大きく削減しています。
3. 快適性の向上
室内では最先端の空調システムを導入し、天井パネルを利用して効率的に温度調整を行います。これにより省エネルギーと従業員の快適性を両立させています。
4. AI駆使の省エネ運用
実際の運用では、AIを活用したデジタルツイン環境で温湿度や照度のシミュレーションを行い、快適性とエネルギー効率を最適化しています。人の位置情報を取得し、最適な空間を作り出す努力を続けています。
未来に向けた建築
今後、「SUSTIE」は全体のCO2排出量削減に努めると共に、エネルギーの消費と生産に対するパフォーマンスを向上させ、持続可能で快適なオフィス環境の在り方を模索していきます。このような基盤を持つ「SUSTIE」は、これからのオフィスビルの一つの模範となり、新しい働き方を実現する重要な役割を果たしていくことでしょう。
日本国内外で数え切れないほどの賞を受賞している「SUSTIE」。その取り組みは、未来の建築の在り方を示唆するものとして、多くの注目を集めています。