豪雪時の車両滞留を早期に検知する技術の誕生

近年、豪雪や吹雪によって国道や高速道路での大規模な車両滞留が頻繁に発生しています。このような事態は物流トラックの運行に大きな影響を与え、一般ドライバーにも影響を及ぼしています。そのため、早急な対応と予測が求められています。これを受け、東京都千代田区に本社を構える防災テックスタートアップ「株式会社Spectee」は、新たにこれらの滞留状況を早期に検知する人工知能（AI）技術を開発し、1月30日付けで特許申請を行ったと発表しました。

新技術の背景

これまで多くの自治体や道路管理者は、雪による滞留状況の把握に苦労してきました。従来の方法では、発生地点の状況を迅速に把握することができず、特に山間部など、カメラ設置が少ない地域では適切な情報が得られにくいという課題がありました。Specteeは「”危機”を可視化する」というミッションのもと、多様なデータを活用し、災害やリスクの情報を予測・解析する技術を提供しています。

開発された技術の仕組み

今回開発された技術では、自動車から取得されるプローブデータをはじめ、SNSからの履歴データや気象情報を複合的に使用しています。具体的には、車両の走行位置や速度といったプローブデータを利用して、地図上のエリアをメッシュ状に分割。これにより、滞留状況を視覚的に捉えることができる仕組みです。以前のカメラを用いた手法では特定の箇所でしか検知ができなかったため、この新技術はより広範囲に対応できる利点があります。

様々な情報ソースの活用

Specteeは、さまざまな情報をリアルタイムで分析し、過去の滞留状況を元に現在の状況を解析します。これにより、高精度で滞留リスクを検知できる仕組みが整っています。また、同社はSNSから集めた大量のデータも活用しており、これにより時系列での解析が可能になっている点が大きな強みです。

将来の展望

Specteeの取締役CDOである岩井清彦氏は、特に日本海側エリアでの雪による滞留を例に挙げ、早急な検知が今後の課題であると指摘しています。また、この技術は雪以外の交通異常にも応用が可能とされており、未来には幅広い異常を対象にした早期検知システムの構築を目指していると話しています。

Specteeが提供する新しい技術により、今後の通信網を通じて、リアルタイムでの状況把握が進むことが期待されています。これにより、物流の効率化や安全な運送を実現できる可能性が高まります。この技術がどのように具体的なサービスとして展開されるのか、今後の動向に注目です。

Specteeとは

株式会社Specteeは災害やリスク情報を迅速に可視化し、広く社会に影響を与えるサービスを提供しています。公式サイトやSNSを通じて最新情報を受け取ることができ、2024年7月には契約数が1000件を突破しています。興味のある方はぜひチェックしてみてください。公式サイト：https://spectee.co.jp