岡山大学の障がい学生支援への取り組み
2025年9月26日、国立大学法人岡山大学の津島キャンパスでは、「移動にサポートが必要な場合を想定した避難訓練研修」が行われました。この研修は、薬学部と障がい学生支援室が共催し、教職員を中心に21名が参加しました。目的は、災害時の実践的な避難方法を学ぶことでした。
特に注目されるのは、今年度中に薬学部の研究室に配属される車椅子ユーザーの学生への配慮です。この背景により、非常時の避難体制の見直しが促進されることとなりました。参加者は、講義を通じて従来の「担架による搬送」に代わる避難方法として、新たに導入された「エアーストレッチャー」の使い方を学びました。
エアーストレッチャーの利点
エアーストレッチャーは、特殊な構造を持つ担架で、摩擦抵抗を軽減するためにプラスチック製のスライド板が付いています。この技術により、少人数でも安全かつ効率的に傷病者を搬送することが可能になります。実際に、参加者は1人を傷病者役としてエアーストレッチャーに乗せ、4人が交代で搬送の体験をしました。その結果、参加者からは「力をあまり使わずに搬送できる」という実感が共有されたのです。
さらに、インストラクターであるエアーストレッチャー株式会社の丸橋昭さんは、「人を引きずって搬送することに対する市民の理解が進むことが、消防現場への理解にもつながる」との見解を示しました。これにより、参加者は災害時のリアルな対応の重要性について深い理解を得ることができました。
建設的な提案と今後の期待
参加者たちからは、エアーストレッチャーの収納バッグにプラスチック板の形で簡易マニュアルを附属させるとよいという具体的な提案も寄せられました。研修は、「誰ひとり取り残さない避難」を実現するための大切な一歩となり、今後の学内の防災対策にも大きな影響を及ぼすことでしょう。
岡山大学は、地域中核として特色ある研究大学としての役割を果たし続け、障がい学生を含むすべての学生が安心して学べる環境を整えていくことが期待されています。今後の取り組みにも注目が集まる中、地域との連携やSDGsへの貢献に向けた活動がさらに進むことが望まれます。
参考情報
皆さまにも、岡山大学のこのような取り組みに対する理解を深め、応援していただければと思います。