国立市が推進する多様性と共生を学ぶ『リカバリーの学校』が3年目へ突入
国立市が文部科学省の委託を受け実施している『リカバリーの学校@くにたち』が、今年度も新たな取り組みを開始しました。障害の有無にかかわらず、地域の人々が互いに学び、つながり合うことを目的にしたこの事業は、3年目を迎え、さらなる地域の共生社会の実現を目指しています。
3年目の『リカバリーの学校』プログラム
令和7年度のプログラムは、2025年6月20日から始まる連続講座「関係性を耕すゼミ ー対話と実践をめぐる旅ー」を含む複数の講座が予定されています。これらの取り組みは、参加者同士の対話や共感を通じて「生きづらさ」を理解し合う場を提供します。この活動には、国立市の公民館も連携しており、地域全体への波及効果も期待されています。
また、令和8年2月までに実施される各講座に加えて、これまでの活動を振り返る活動報告書や、成果報告会、共生社会コンファレンスも予定されています。これにより、地域のつながりを深化させるとともに、参加者一人ひとりが自身の生き方を見つめ直す機会を創出します。
異なる背景を持つ人たちの交流
『リカバリーの学校』は、英国の「リカバリーカレッジ」を参考にしたプログラムを実施しています。これは、メンタルヘルスの向上を目指し、疾患を抱えた人々やその支援者が地域で豊かに生活できるよう、協力して学び合うことを中心としています。日本でも徐々に広がりを見せ、この取り組みを通じて得られる経験は、参加者の生き方にも影響を与えています。
この実践により、参加者は自らの障害や生きづらさを受け入れ、他者との関わりを通じてより良い道を探る手助けとなることを目指しています。特に「キョウドウ」という概念は、異なる人々が共同で協力し、孤立しない地域づくりを促進するために重要視されています。
講座プログラムの内容
今年度の講座は以下のような多様なテーマで構成されています。
1.
「リカバリーの学校」(全7回)
生きづらさを抱える人たちが、共に学び合う場。この講座ではテキストを用いて、参加者同士の意見交換を行います。
2.
「関係性を耕すゼミ ー対話と実践をめぐる旅ー」(全6回)
対話を通じて人間関係を見つめ直す講座です。コミュニケーションの大切さを再確認し、自分自身を深く理解する機会を提供します。
3.
「ダイバーシティサッカー」で遊ぼう(全3回)
サッカーを通じて、多様なバックグラウンドを持つ人々が集まり、相互理解を深めるプログラムです。
4.
「共につくる自己表現と交わりのマナビ場」(5回程度)
参加者自身が自分の思いや願いに基づいて企画を生み出す場です。
未来への期待
国立市は、地域の健康やウェルビーイングを重視したまちづくりを進めています。『リカバリーの学校@くにたち』は、その一環として、市民が互いに助け合うことを促進する重要なプロジェクトです。参加者の言葉や体験が地域に響き渡り、共生の社会への第一歩を築くことが期待されます。
本事業の継続を通じて、国立市が目指す新しいスタイルの地域社会実現に向けて、さらなるステップを踏んでいくこととなるでしょう。地域の皆様の積極的な参加をお待ちしています。