環境負荷を低減させる新エポキシ樹脂粉体塗料「スミライトレジン® ECP」の革新技術
住友ベークライト株式会社が新たに開発した環境対応エポキシ樹脂粉体塗料「スミライトレジン® ECP」は、自動車業界におけるカーボンニュートラル実現に向けた新しいソリューションです。この塗料は車載モータのコイルエンド絶縁用途に特化しており、物流工程や塗装工程でのエネルギー使用量削減に寄与します。特に、環境負荷低減を目指した「常温保管開発品」および「低温硬化開発品」という二つの新ラインアップが注目を集めています。
商品の背景と開発の狙い
自動車業界では、カーボンニュートラルに向けた取り組みが進む中、エネルギー使用量の削減が求められています。物流や保管を含むサプライチェーン全体での負荷を軽減するために、住友ベークライトは高い耐久性を誇るコイルエンド絶縁用のエポキシ樹脂粉体塗料を開発し続けてきました。そして、このたび新たに開発された製品は、具体的に物流や塗装工程の課題に対応する形で設計されています。
常温保管開発品 (ECP-383KA)
この製品は、従来のエポキシ樹脂粉体塗料と比べて、特異な点がいくつかあります。具体的には、従来品の冷蔵輸送・保管が必要だったのに対し、常温(10~35℃)での輸送・保管が可能になりました。これにより、冷蔵施設や低温輸送に伴うエネルギーコストを削減することができます。保存安定性が向上したことで、より効率的な物流が実現され、環境に優しい選択肢となるでしょう。
低温硬化開発品 (ECP-382WA)
次に紹介するのは、低温での硬化が可能な塗料「ECP-382WA」です。この製品は、従来品が設定していた160~200℃の硬化温度が、なんと130℃に下がりました。硬化剤と樹脂の配合を最適化することで、従来モデルと同等の性能を維持しつつ、塗装と硬化の工程でのエネルギー消費を削減します。
サプライチェーン全体を見据えた環境負荷低減
近年、自動車業界では環境負荷の低減が強く求められています。住友ベークライトの今回の二つの開発品は、物流、保管、塗装とそれぞれ異なる工程におけるエネルギー消費に着目しています。これにより、製造から使用までの全てのプロセスでのエネルギー使用量を最適化し、CO₂排出を削減することが期待されています。
- - 常温保管開発品:冷蔵輸送や保管を避けることでエネルギーコストを削減。
- - 低温硬化開発品:硬化温度が低下し、電力コストを抑えられる。
期待される効果と今後の展望
この新しい製品がもたらす効果は、環境負荷低減だけでなく、コスト削減にもつながります。特に常温保管商品では、輸送や保管時の温度管理要件の緩和により運用コストが軽減されます。また、低温硬化商品では硬化温度の低減に伴い電力消費が抑えられることで、経済的なメリットも期待できます。これらの効果は使用条件や適用環境によって異なるため、導入を検討する際には個別の評価・検証が推奨されます。
粉体塗料による環境性能と信頼性
いずれの開発品も無溶剤型であり、揮発性有機化合物(VOC)を含まないため、環境に優しい選択肢です。さらに、優れた接着性、電気絶縁性、機械強度を持ち、複雑な形状への均一な塗装や膜厚の制御ができます。これにより、車載モータ用途における高い信頼性を確保しています。
今後の展開
常温保管開発品と低温硬化開発品は、既に複数の顧客において評価されています。2030年には常温保管開発品の本格展開を目指しており、住友ベークライト株式会社はxEVやeVTOL市場を対象にした提案活動を強化し続け、環境負荷を減らす材料の普及促進に努めていきます。これからの展開に期待が高まります。