アジア・オセアニア剣道連盟(AOKF)設立の意義
剣道は日本の伝統文化として広く知られていますが、その国際的な普及を目指す取り組みが新たな歴史の一歩を踏み出しました。2023年12月1日、アジア・オセアニア剣道連盟(AOKF)が正式に設立されました。この重要なイベントは、公益財団法人全日本剣道連盟(全剣連)の後援により、国際剣道連盟(FIK)の下に新しい大陸連盟としての役割を果たすことになりました。
これまでの経緯
AOKFの設立以前、国際剣道連盟の傘下には、ヨーロッパ剣道連盟(EKF)とラテンアメリカ剣道連盟(CLAK)という二つの地域連盟が存在していました。しかし、アジアやオセアニア地域を代表する連盟は長きにわたり欠けていました。今回のAOKF設立は、国際スポーツ界における組織要件が厳格化された中で、剣道が国際的により一層の地位を確立するための行動を起こすことによって、歴史的な一歩を刻むこととなります。
多国籍の参加
AOKF設立に向けた会議には、アジアおよびオセアニアの8か国・地域の代表が集まり、さらに11か国からはリモートで参加しました。最終的には、アジア・オセアニア地域の21か国と地域が加盟を決定しました。
- - 東アジア: 日本、韓国、中国、チャイニーズタイペイ、香港、中国、モンゴル、マカオ、中国
- - 東南アジア: フィリピン、ベトナム、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ラオス、ミャンマー、カンボジア、ブルネイ
- - オセアニア: オーストラリア、ニュージーランド
- - 中央アジア: カザフスタン、ウズベキスタン
初代会長、蒔田実氏の就任
AOKFの初代会長に選ばれたのは、全日本剣道連盟の副会長でもある蒔田実(まきた みのる)氏です。彼は個人としても世界剣道大会での優勝経験を持つ上、長年にわたり大学教育や連盟運営を通じて剣道の国際化並びに指導者育成に貢献してきました。今後は、アジア・オセアニア地域の剣道家との連携を一層深め、剣道の魅力を広めてまいります。
蒔田実 AOKF初代会長のプロフィール
- - 生年: 昭和23年
- - 出身地: 大阪府
- - 学歴: 東海大学卒
- - 実績: 全日本実業団大会での4回の優勝、世界剣道大会個人優勝
- - 役職歴: 国際武道大学学長、全日本剣道連盟副会長など
- - 職業: 剣道範士八段、名誉教授
第1回アジア・オセアニア剣道選手権大会の開催
AOKFにとっての初めての国際大会が、2025年5月30日と31日の二日間、東京で開催されることが決定しています。本大会は、AOKF加盟国に加えトルコやキルギスといった国々からも剣士が参加予定であり、合計23の国と地域の剣道家たちが一堂に会する貴重な機会となります。これは単に剣道の技術を競い合う場にとどまらず、各国の剣道家同士の交流を深め、精神力を鍛え合う場としても大変重要です。
全日本剣道連盟は、この大会中に一般向けの剣道体験会も開催予定です。これにより、一般市民や若者たちに剣道の魅力を伝え、広くスポーツとしての剣道の熱気を感じてもらう機会を提供します。剣道の将来を担う若い世代の育成にもつながることでしょう。
大会概要
- - 大会名: 第1回アジア・オセアニア剣道選手権大会(1AOKC)
- - 日程: 2025年5月30日(土)、31日(日)
- - 開催地: 東京武道館(東京都足立区)
- - 公式サイト: 大会公式サイトへ
2015年東京開催の第16回世界剣道選手権大会の模様に続き、今回の開催もまた、剣道の国際の舞台であり、次世代への道を切り開くイベントとなるでしょう。剣道の未来に向けて、息吹を与えるこの大会にぜひご注目ください。