静岡市が先進的な調査手法を導入、VETAと早稲田大学が連携
静岡市は、VETA株式会社と早稲田大学と手を組み、さまざまな要素が市民の意思決定にどのように影響を与えているのかを明らかにするための共同研究をスタートしました。この研究では、VETAが開発した「Value Elicitation法」(VE法)を活用することで、従来のアンケート調査の限界を克服し、市民の真の価値観をより正確に把握することを目指します。
共同研究の背景と目的
現在、全国の多くの自治体が市民の意見を把握するためにアンケート調査を実施していますが、従来型の手法では、市民の本音や価値観を十分に理解することが難しいという課題があります。特に、静岡市では市民の満足度を測るための調査が行われているものの、結果を市政に具体的に反映させるのが困難でした。このような課題を解決するため、VETA社同様の新たな手法の導入が必要とされていました。
VE法の特性とメリット
VETA社の「Value Elicitation法」は、個人が複数の要素を比較しながら意思決定を行う際に、どの要素を重視しているのかを定量的に示すことができる手法です。この手法は従来のアンケートと異なり、各要素が個々の意思決定に及ぼす影響を因果的に分析することが可能です。また、回答者が社会的な意図を気にせずに本音を回答しやすくするため、より実情に即したデータが得られることも大きな利点です。
本技術は、過去には参議院選挙や衆議院選挙の「ボートマッチ」にも活用され、利用者がどの政策を重視しているのかをスコア化する仕組みを提供しています。公共分野でも「EBPM」(Evidence-based Policy Making)への応用が進められており、今回の静岡市での取り組みはその自治体への導入としては初めての試みとなります。
今後の展望
静岡市では2026年6月に、この新しい調査手法を市民への調査に適用する計画が立てられています。VETA社は、早稲田大学との連携を通じて、その設計や実施、分析を支援し、より精密な市民意識の把握を目指します。これにより、市民一人ひとりの政策に対する潜在的な価値観や優先順位を捉え、それを市政に的確に反映させる方法を研究します。
加えて、VETA社はこの共同研究から得た知見をもとに、地方自治体向けの調査におけるVE法の活用を進め、EBPMの推進支援をパッケージとして提供することにも注力します。これにより、より多くの自治体において、住民の声を政策に生かすという活動を行うことを期待しています。
用語解説
- - Value Elicitation法: VETA社が提供する調査分析手法で、コンジョイント分析を発展させた独自のアルゴリズムを利用。複雑な意思決定において重要な要素を明らかにし、それに基づく政策提案を行う技術です。
この革新的な取り組みにより、静岡市は市民のニーズをより的確に把握し、今後の市政運営に役立てる新しい道を切り開くことでしょう。