エクイノール社向け新造LNG艦「ENERGIA VIKING」命名式
7月29日、商船三井のグループ会社であるMOL ENERGIA PTE. LTD.は、大連中遠海運川崎船舶工程有限公司で、北欧のエネルギー企業エクイノール社向けの新造大型原油タンカー「ENERGIA VIKING」の命名式を行いました。この大型タンカーは、商船三井グループとして初めてのLNG二元燃料を搭載したVLCC(Very Large Crude Carrier)です。
命名式には、エクイノール社のシニアバイスプレジデント、アン・マイ・ハトレム氏や、商船三井社長の橋本剛氏、MOL ENERGIAのマネージングダイレクター小倉美樹氏が出席しました。多くの関係者が見守る中で、「ENERGIA VIKING」という名前が船に与えられました。この命名は、持続可能な海運の新たな一歩を象徴するものです。
「ENERGIA VIKING」は、約10,000立方メートルを超えるLNG燃料タンクを搭載しており、長距離輸送能力を有しています。これにより、よりフレキシブルな輸送プランに対応することが可能となります。また、船内には「IKOI(イコイ)」という、乗組員が憩いの時間を過ごすことができるスペースが設けられており、従業員の働きやすさにも配慮されています。VLCCにおいてこのような休息空間を設けるのは商船三井として初めての試みであり、業界の新しいスタンダードの誕生とも言えそうです。
商船三井は、「商船三井グループ環境ビジョン2.2」を策定しており、2050年までにネットゼロ・エミッションを目指しています。LNG燃料は、従来の燃料油に比べて二酸化炭素の排出を約25~30%削減することができるため、持続可能な海運を進めるうえで非常に重要な役割を果たします。
同社は2030年までにLNGやメタノールを燃料とした船舶を90隻投入することを目標としており、この「ENERGIA VIKING」を含む約40隻のLNG燃料船を整備しています。2025年からは6隻のVLCCが順次竣工予定であり、その内の3隻がエクイノール社との契約に基づいて運用される予定です。これらの取り組みを通じて、商船三井はLNG燃料の普及をリードし、環境負荷を低減するための努力を続けていく所存です。
命名式での雰囲気や、エクイノール社との強固なパートナーシップを築く中での取り組みは、持続可能な未来を見据えた重要な一歩です。この新たな船がどのように海運業界に変革をもたらすか、今後の展開に期待が寄せられます。