大阪・関西万博で米粉が注目を集める
2023年6月、大阪・関西万博において「いのちを育む×米粉 日本の食文化と農業の未来をつなぐ新しいお米のカタチ」がテーマのイベントが開催されました。このイベントは、農林水産省が主催する「RELAY THE FOOD〜未来につなぐ食と風土〜」の一部として行われ、米粉にスポットを当てた多彩なプログラムが展開されました。特に注目を集めたのは、若者たちと地元の特産物を使った商品開発に関するトークセッションです。
三原市の米粉を使った商品開発
イベントの中で、大和中学校の生徒たちが地元の特徴を生かした米粉製品の開発について発表しました。村上朋子さんや皆川夏織さんといった地域法人の代表も参加し、彼らの支援のもと、もち粉を使った「ラッキークッキー」と、粘土として楽しめる「こめんど」を共同開発しました。生徒たちは、これらの商品の販売やワークショップを通じて地域の人々に米粉の魅力を広めたものの、他地域へのアピールの難しさも実感したようです。彼らは、この経験を後輩たちにしっかりと伝えていくことを考えていると述べました。
トークセッションでの米粉の可能性
続くトークセッションでは、米粉の未来について熱く議論が交わされました。ここでは、株式会社おこめん工房の井掛雅祥さんや、地域法人おせっかいの村上さん・皆川さん、増田製粉の増田洸佑さん、大和中学校の生徒たちが、米粉をどのように活用して地域活性化に繋げていけるか、それぞれの視点から意見を交換しました。
井掛さんは、地元の米粉を通じて得られた支援のつながりや、地域の人々が米粉に対して抱いている理解の浅さを指摘し、啓蒙活動の重要性を強調しました。彼の言葉からは、米粉を使うことで得られる実際のメリットと喜びが伝わり、地域の将来に対する期待感が感じられました。
日本の米・米粉の可能性を未来に
次のトークセッションでは、「日本の米・米粉の可能性」と題して、株式会社百笑市場の長谷川有朋さんや、米粉料理家の中村りえさん、株式会社波里の藤波孝幸さんが登壇しました。彼らは日本の米粉が持つ特性や、今後の展望について語りました。長谷川さんは、米粉の需要が高まってきていると述べ、米粉製品の多様性に期待を寄せています。中村さんは、グルテンフリー市場や食料自給率の関係から、米粉が今後ますます注目される素材だと明言します。
海外市場における米粉の魅力についても議論されました。中村さんは、日本の米粉の特性が海外市場でも受け入れられていることを強調し、藤波さんは、高い製粉技術が評価されていることを語りました。これにより、米粉製品はヘルシーで安全とも評価され、今後の成長が見込まれています。
【米コ塾】と米粉の普及
米粉の普及を目的としたコミュニティ「米コ塾」もご紹介しました。このプラットフォームでは、飲食店オーナーや生産者、料理家たちが集まり、その技術やノウハウを共有しています。米粉の魅力を消費者に知ってもらうため、様々なアイデアを具現化する場となっています。
米粉タイムズで最新情報を発信
米粉に関する情報を消費者に向けて発信する「米粉タイムズ」も、興味深い取り組みです。このWEBメディアでは、レシピやイベント情報、キャンペーンなどを提供しています。公式SNSを通じて、米粉を使った美味しいメニューの情報も随時更新されていますので、ぜひチェックしてみてください。
終わりに
今回の大阪・関西万博でのイベントは、米粉を通じて日本の食文化と農業の未来を考える貴重な機会となりました。地域の特産物を活かしながら、若者の創造力によって新たな可能性が広がっていく様子が伺えました。米粉の魅力を引き出し、未来へと繋げる取り組みが続くことを期待しています。