新入社員の内定期間における企業からのフォローについて
新入社員にとって内定後の期間は、企業との初めての接点となる重要な時期です。この期間中に企業から受けたフォローが、新入社員の心境にどのように影響を与えるのかを探りました。
調査概要
ALL DIFFERENT株式会社とラーニングイノベーション総合研究所による調査で、2025年度新入社員3,933人を対象に、2023年3月25日から4月24日にかけて実施されました。この調査では、内定期間中の企業から受けた支援の種類と、それが新入社員の心に与える影響を分析しました。
フォローの種類とその影響
調査結果によれば、新入社員が受けたフォローで最も効果的だと感じたのは「懇親会」で、過去4年間連続でトップの座を維持しています。懇親会は社内の人々と顔を合わせ、コミュニケーションを取る機会を提供し、社内文化への理解と親近感を嵩上げする手段として有効です。
その後に続くのが「アルバイト・インターン」と「研修」で、多くの新入社員が、これらの体験を通じて自信を深めたと報告しています。特に、「内定企業での研修」を受けた新入社員は、入社時の「期待」を持つ割合が高いことが明らかになりました。
不安に満ちた新入社員の心境
一方で、新入社員の入社時に抱える不安も見逃せません。調査結果によると、30.7%が入社時に「不安」と回答しました。この不安は、内定期間中に受けたフォローが不足していると感じた場合に特に顕著です。「何も受けていない」と感じた新入社員の34.5%が不安を感じたとのことです。
このことから、企業のフォローがいかに心的状態に影響するかわかります。また、最近では「特に何もしていない」と答える新入社員の割合が増加しており、これが不安感の増大に繋がっている可能性があります。
読書習慣の低下
さらに、入社前にスキルアップのための活動を行っている新入社員が減少傾向にあり、「ビジネス本を読む」と回答する人が減少している点も、業界全体の問題として捉えるべきです。このことは新入社員の社会人としての自覚や企業への期待感に影響を与えているかもしれません。
企業に求められるフォロー
今後、企業が内定者に対してどのようなフォローを行うべきかについて考察します。以下の4つのポイントが重要です。
1.
教育制度の充実:社会人に求められる基礎知識や心構えをしっかりと教えること。
2.
自発的学びの促進:内定者を飽きさせない形での学びの場を提供すること。
3.
コミュニケーションの強化:不安を軽減するための明確なサポート体制を整えること。
4.
コミュニケーションスキルの向上:管理職や先輩が内定者としっかり対話できることを重視すること。
成功事例の紹介
各業種で内定者との接点を増やす企業の事例も紹介します。
- - 小売業:内定者に店舗を訪問させ、実際の業務を体験させる。
- - IT業:プログラミング課題に取り組ませて業務への関心を高める。
- - 製造業:工場見学を行い、製品の流れを実際に見る機会を提供する。
これらの取り組みを通じて、内定者が不安を軽減し、期待を高める可能性を広げることが求められます。
まとめ
新入社員の心境は、内定企業からのフォローによって大きく左右されます。懇親会やインターンシップ、研修など、人とのつながりを通じて企業文化を感じてもらうことが重要です。また、ただの事務連絡方法だけでは不安を煽る可能性があり、企業側は意識的なサポートが求められます。今後、より一層参加意識を促しながら、新入社員を迎え入れる準備を整えていく必要があるでしょう。