タワーマンション住民の防災意識と在宅避難の実態調査結果

タワーマンション住民の防災意識と備蓄の実態

近年、タワーマンションの数が増加している都市圏において、防災意識の高まりが重要なテーマとなっています。株式会社つなぐネットコミュニケーションズが実施した「マンションの防災対策に関するアンケート」によると、タワーマンションの住民は大地震時に自宅に留まることを想定し、備蓄意識が特に高いことが明らかになりました。

調査概要

この調査は2025年7月25日から28日までの期間に行われ、インターネットを通じて、全国の20歳から79歳までの住民4,583名を対象に実施されました。対象は総戸数50戸以上のマンション住民で、さまざまな結果が得られました。

調査結果によると、タワーマンション住民の69.2%が、地震発生時に自宅に留まることを想定していることが判明しました。これは、全マンションタイプの中で最も高い割合です。このことは、タワーマンションが近年注目を集める理由の一つであり、在宅避難が重要な選択肢に変わる可能性を伺わせています。

備蓄意識の高まり

また、防災備蓄への意識も高く、タワーマンション住民は家族単位での備蓄計画をしっかりと考慮する傾向があります。特に災害用トイレの備蓄に関しては、他のマンション住民と比較しても高い割合で用意していることがわかりました。これは、エレベーターが停止する可能性や、ライフラインの問題を考慮しており、具体的な防災対策の重要性を強調しています。

共助の視点からの課題

しかし、調査結果にはいくつかのたまな問題点も浮き彫りになっています。大地震時に「助け合える居住者がいない」と回答したタワーマンション住民の割合は52.4%にのぼり、これは他のマンションの住民と比べてやや高い結果です。このことは、個々の防災意識が高い一方で、住民同士の連携や支え合いの体制が十分でないことを示唆しています。今後は共助の視点から、住民同士が連携しやすい環境づくりやコミュニティの形成が求められるでしょう。

今後の取り組み

つなぐネットでは、マンションにおける防災意識の啓発と、備蓄・支援の体制を強化するため、様々な取り組みを続けています。特にマンションの防災力を向上させるためには、自助の精神を育てるだけでなく、共助を促進する仕組みを整えることが重要です。また、防災情報の提供や、備蓄用具の選定、運用ルールの策定を支援するサービスも展開しています。