新しいイノベーションの幕開け
2023年10月、博報堂、インダストリー・ワン、Relicの3社が共同で「産業横断型イノベーション共創コンソーシアム」を設立しました。この取り組みは、業界の境を越えたイノベーションを目指すもので、各社の経営資源や技術を融合させることにより、持続可能なビジネスモデルの構築を狙っています。
設立の背景
最近の世界経済の不安定さやデジタル技術の急速な進化により、単独の業界戦略だけでは成長が難しくなっています。特に日本では、デジタル化の遅れから12兆円もの経済損失が予測されています。これに対抗するため、企業間の連携がこれまで以上に重要視されています。
日本政府は150兆円規模の民間資本動員を見込んでおり、特に、GX(グリーントランスフォーメーション)やデジタル化に関しては、大企業同士が単独でリスクを取らずに協力し、新たな事業を創造する動きが加速しています。例えば、外国企業と日本企業の協業の成功例も増えており、このような協力が新しいビジネスモデルや技術革新を生むのです。
このプロジェクトは、異業種の大手企業が持つ特性を活かし、共同で新たな市場を創り出し、社会問題の解決を図ることを目的としています。特に、Relicが開発した「オープンイノベーションデット」手法がこのコンソーシアムの中核を成しています。
コンソーシアムの目的
本コンソーシアムは、異なる業界からの参加者がイノベーションを生み出すためのハブとして機能します。企業はお互いの技術やリソースを活かし合いながら、業界の常識を破るような新しいアイデアを模索します。この新たな枠組みが、日本全体のイノベーション・エコシステムを強化し、さらなる成長を促すことが期待されています。
Relicは、コンソーシアムの運営と新たなビジネス機会の創出をリードし、その役割として実践的な共創プロジェクトを推進します。また、参加企業にとってはさまざまな形での関与が可能であり、単なるネットワーキングにとどまらない実験的な取り組みへとつなげていくことでしょう。
活動の中心となる内容
このコンソーシアムでは、以下の活動が計画されています。
1.
市場ニーズや社会課題の探索: Relicは独自のイノベーションデータベースを活用して、参加企業の技術や知見と組み合わせ、革新的なビジネスチャンスを見出す。
2.
事業構想の立案と実行: 妥協なき提携を進め、オープンイノベーションを推進。産業横断型スタートアップスタジオの運営も行います。
3.
技術研究と社会実装: AIやディープテックなど先端分野での共同研究によって競争力ある技術の育成を図ります。
4.
DX支援: 企業のデジタル化や新規事業の開発といった領域において、ノウハウを活用し支援を行います。
5.
イノベーターの育成: 人的資本を増強し、企業間での人材交流を進めてイノベーター人材を育成します。
主要メンバーとその役割
- - 株式会社Relic: 新規事業開発のプロとして、コンソーシアムの参加企業が持つ技術を素早く事業化するプロセスを設計します。
- - 株式会社インダストリー・ワン: 三菱商事グループから培ったデジタル事業の実装力を活かし、共創を進めます。
- - 株式会社博報堂: クリエイティビティを用いたマーケティング支援を通じて、新規事業の推進を行います。
今後の展望と期待
今後、この3社はそれぞれの強みを生かしたプロジェクトの立ち上げを進め、新たな企業の参加も見込まれています。これにより、日本全体のイノベーションの力を強化し、多様な市場のニーズに応えることができるでしょう。
本コンソーシアムへの期待は大きく、異業種間の円滑なコミュニケーションと共同作業の重要性はますます高まっています。新しいビジネスの創出のみならず、社会的な価値向上にも寄与することが期待されます。