岡山大学と国連貿易開発会議が共に歩んだ5周年の歩み
2025年11月17日、岡山大学と国連貿易開発会議(UNCTAD)が共同で実施している「途上国からの若手女性研究者のための共同研究・研修コース」の設立5周年を祝うレセプションが、国連欧州本部で盛大に行われました。このイベントは、開発のための科学技術委員会の年次会合期間中に開催され、多くのアカデミックや国際機関の関係者が集まりました。
当日は、UNCTADの事務局次長であるPedro Manuel Moreno氏をはじめ、CSTD議長代行のMuhammadou M.O. Kah氏、エクアドル常駐代表のJosé Valencia氏、さらにはジョンズ・ホプキンズ大学のRitu Agarwal氏など、各界の著名なスピーカーが挨拶を行いました。
岡山大学からは、横井篤文副学長が開会の挨拶を行い、STI(科学技術・イノベーション)分野におけるウィメン・エンパワーメントがSDGs達成に不可欠であることを強調しました。彼は大学が持続可能な社会の実現に向けて、ただ知識を創造するだけでなく、地域や国際社会との架け橋としても機能しなければならないと述べました。この視点は、これからの教育機関に求められる重要な役割を示しています。
このプログラムは2020年から始まり、アフリカや東南アジア出身の若手女性研究者を対象に支援を行ってきましたが、今年度からは中南米地域へも対象を拡大しました。エクアドル、グアテマラ、ペルーの3カ国から新たに参加者を迎えることで、プログラムは計12カ国32人の参加者による国際的な取り組みへと成長しています。このように国際的な協力が広がることで、新しい波及効果が生まれており、UNCTADとタイ政府による女性研究者支援事業の立ち上げなど、さらなる発展が期待されています。
レセプションでは、プログラムの参加者同士や関係者が今後も交流を続け、メンタリングや共同研究、知識共有を通じた次世代女性科学者の国際的なネットワークづくりが発表されました。これは研究活動における活性化や、岡山大学とのさらなる連携を促進するものと期待されています。
横井副学長は、滞在中に在ジュネーブ国際機関日本国政府代表部を訪れ、永井大使に対し、本学の国際機関との連携状況を報告し、今後の協力体制に関する有意義な対話が交わされました。
岡山大学は、今後も国際的なパートナーシップを強化し、STI分野の女性リーダーの育成や、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを続けていく方針です。この取り組みは、地域に根差した特色ある研究大学としての岡山大学に対する期待をさらに高めています。
レセプションは、参加者にとって新しい挑戦と機会をもたらす重要な場となりました。岡山大学とUNCTADのこの5年間の歩みと成果を引き続き注視し、ご期待いただきたいと思います。