酒造業界の新たな一歩！「もろみ日誌クラウド」がMCPCアワード2025受賞

酒造界に革新をもたらす「もろみ日誌クラウド」

大阪に本社を置くラトックシステム株式会社が開発した「もろみ日誌クラウド」が、MCPCアワード2025の特別賞を受賞しました。この受賞は、日本酒製造現場におけるIoTソリューションの重要性を示すものです。日本酒はその深い文化や伝統を持ちながらも、現代においては労働環境や後継者不足といった課題に直面しています。「もろみ日誌クラウド」は、そうした問題に対して革新的な解決策を提供し、日本酒の未来を支える役割を果たしています。

MCPCアワードの意義と評価ポイント

MCPCアワードは、モバイルコンピューティング推進コンソーシアムが主催し、革新的なテクノロジーを活用した事例を表彰する制度です。受賞対象となるのは、業務効率や社会的意義に貢献するソリューションです。「もろみ日誌クラウド」の評価ポイントは、現場の負担を軽減し、品質の安定化を実現した点です。それにより、酒造業界における技術の継承も可能にしました。

「もろみ日誌クラウド」の革新機能

このシステムは、もろみの発酵過程で生じる温度データを自動的に収集する仕組みを持っています。データはグラフ化され、ユーザーは目標や過去データとの比較ができます。これにより、従来の手作業によるデータ収集の負担を大幅に軽減できます。また、スマートフォンを通じてリアルタイムで状況が確認できるため、泊まり込みや深夜巡回が不要になります。こうした労働環境の改善は特に若手人材の定着にもつながります。

現場の声に耳を傾けた開発プロセス

ラトックシステムは、単なるシステムの提供にとどまらず、現場の杜氏や蔵人と密にコミュニケーションを取り、彼らのニーズを反映させることに重きを置いています。そのため、酒蔵ごとに異なる運用スタイルや醸造法に対しても柔軟に対応できるように改良を続けています。この点が、今回の受賞における大きな要因となっています。

未来の日本酒づくりのために

今回の受賞を機に、ラトックシステムは引き続き酒造業界との連携を強化し、デジタルトランスフォーメーション（DX）の推進に貢献していく意向を示しています。「もろみ日誌クラウド」は、日本酒の製造過程をより効率的にし、持続的に日本酒を守っていくための重要なツールとして位置付けられています。酒造りの文化を未来へ繋ぐこのシステムが、どのように業界に革新をもたらすのか、今後の展開が非常に楽しみです。