QuantumCore、NEDOの技術調査事業でリザバーコンピューティングを推進
QuantumCoreがNEDOによる技術調査事業を受託
株式会社QuantumCoreは国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「リザバーコンピューティング技術の有効性検証に関する技術調査」事業を受託しました。このプロジェクトは、次世代AI技術を推進する重要なステップとなります。
事業概要
この調査事業は、NEDOの「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発」プロジェクトの一環であり、2025年度から2026年度にかけての1年間続きます。予算は約1.2億円規模で、QuantumCoreはリザバーコンピューティング技術の最新トレンドと実装形態の調査を徹底的に行います。特に製造業、インフラ、モビリティ、ヘルスケア、農業、サービスロボットといった分野における社会実装の可能性を探っていく予定です。
背景と目的
現在のAI技術開発は、大規模言語モデル(LLM)やディープラーニングに偏っており、GPUの使用が急激に増加しています。このため、計算コストの上昇や電力消費量、環境負荷の課題が深刻化しています。リザバーコンピューティング技術は、これに対抗する次世代計算技術として期待されています。特に時系列データの処理において優れた計算効率と省エネルギーを実現できる点が注目されています。日本の半導体技術やIoTデバイス開発の優位性を生かし、GPU依存から脱却する新しい技術の領域として国際的な競争力を持つ重要性もあります。
調査内容
本調査では、以下の3つの主要なテーマに取り組む予定です:
1. 技術的動向とリザバーコンピューティング技術の社会的役割
2. 市場動向と事業の市場性評価
3. 実現可能性の調査
これにより、リザバーコンピューティング技術がどのように産業界での適用可能性を持つかを深く掘り下げていきます。
実施体制
この調査は、QuantumCoreが主体となり、シンクタンクや大学の研究機関、既存のNEDOプロジェクト、加えて複数の協力企業との連携によって行います。これまでのリザバーコンピューティングの分野での各種実績を活かし、80社以上でのProof of Concept(PoC)実施、2,500社以上での技術利用、100種類以上の分析データセットに対する検証データをもとに、実効性のある調査が進められていきます。
今後の展望
QuantumCoreは本調査を通じて、リザバーコンピューティング技術の可能性や課題を探究し、日本の産業競争力を高めるための道筋を示していく考えです。調査の成果は業界向けのセミナーや展示会を通じて広く社会に還元される予定です。在宅勤務や省エネといった社会的ニーズに応える技術として、日本の産業構造に相応しいAIの新たな発展を提案し、持続可能な社会の実現に貢献していくことを目指します。