ギャンブル依存の実態と支援体制を知る
ギャンブル依存症は、近年急速に広がっている社会問題の一つであり、特に若者に影響を及ぼしています。ティーペック株式会社は、この重要な課題に取り組むため、2025年8月21日に「あなたの身近に潜むギャンブル依存の実態 ~サポートコールの現場から~」というセミナーを開催しました。本イベントでは、依存症予防回復支援センターの委託を受けて運営される「サポートコール」の現場スタッフが、最新の相談傾向や支援の実際について語りました。
ギャンブル依存症が広がる背景
何がギャンブル依存症を引き起こすのか。その一因として、オンラインカジノや違法賭博の氾濫があります。国立病院機構の調査によれば、国内におけるギャンブル依存の疑いがある人数は約180万人にも上ります。特に20〜30代の若者に多く、彼らの約4割は違法だと認識しないまま利用し続けています。これに対し、政府も規制や支援策を強化する方向です。
ティーペックは、30年以上にわたり医療とメンタルヘルスに関連するコンタクトセンターを運営しており、その実績をもとにギャンブル依存に特化したサポートコールを設立しました。これは、いつでも相談できる体制を築くことを目的としています。
セミナーの内容と知見
セミナーでは、サポートコールで実際に対応を行っている公認心理師や臨床心理士が登壇し、いくつかの重要な知見を共有しました。以下に主なポイントをまとめます。
兆候と進行
ギャンブル依存は、多くの場合「気づかないうちに」始まります。依存の兆候を認識することが、早期の対応につながります。
相談傾向
近年、若年層からの相談が増加しており、特に電話が使われにくい20〜30代でも、最後の手段として相談に繋がるケースが見られます。家族からの相談も多くなっており、彼らの苦悩も深刻です。
支援の要点
依存症の治療だけでなく、その人に寄り添う家族や職場を巻き込んだ支援が非常に重要です。ギャンブル依存から回復するためには、包括的なアプローチが求められます。債務整理や医療機関との連携、さらにはDV相談センターの案内など、多面的なサポートが効果的です。
再生へのステップ
孤立を防ぎ、継続的に支援を受けられる環境を整えることが回復のカギとなります。ターニングポイントを逃さず、サポートを提供することが求められます。
アンケートから見えた実態
セミナー参加者118名のアンケートからは、ギャンブル依存症についての認識が不十分だったことがうかがえます。約7割の人があまり知らなかったと答え、9割以上が「短期間でのめりこむ」イメージを持っていましたが、その全体像への理解は浅いことが分かりました。
また、約7割が「一度依存症になったら治らない」という誤解を持っていましたが、正しい知識の普及により、適切な治療が必要であることも認知されつつあります。
ティーペック心理カウンセラーの言葉
ティーペックの心理カウンセラーは、依存症が「個人の意志の弱さ」に起因するのではなく、脳の仕組みが影響していることを強調します。この誤解が、依存症の当事者を一層苦しめる要因となっています。そして、私たちが大切にしているのは、一瞬の「助けて」という声を逃さないことです。依存に苦しむ方々は、少ないタイミングで「やめたい」と思うことがあります。その瞬間を捉えるために、24時間体制でサポートを行っています。
家族からの相談も多数寄せられており、どう対応すれば良いか分からず悩む親やパートナーが少なくありません。支援の第一歩には、相談が必要です。一人で苦しまないで、まずは声をかけてみてください。その一歩が、回復への大きな進展となります。
今後の取り組み
ティーペックは、今後もギャンブル依存を含む社会問題に対し、相談支援や啓発活動を続けていく所存です。依存症の問題の理解を深め、より多くの方が適切な支援を受けられるよう、努力を続けます。
詳しい情報は、ティーペック株式会社の公式ページやギャンブル依存症サポートコールのウェブサイトをご覧ください。