書とテキスタイルの新たな出会い
東京・代官山のヒルサイドフォーラムにて、80歳の著名な書家、小澤蘭雪が主催する展覧会「わたしたちのくに|OUR COUNTRY」が、2026年10月6日から10月11日まで開催されます。入場は無料で、誰でも気軽に訪れることができるイベントです。
書家・小澤蘭雪の新境地
小澤は、3歳から書に取り組み続け、人生を通じてその表現を探求してきました。80歳を迎える今、彼女は書の領域をさらに広げ、テキスタイルアーティストのBLNK(BLNKART)や捺染家の宇田川泰裕と協力し、新しい表現を模索しています。この展覧会では、書を単なる表面的な美術作品として提示するのではなく、その筆致や感情を布や素材、光、空間に変換する試みが展開されます。
筆致の「翻訳」とは
本展の特徴は、小澤が紙に記した書をそのまま布に印刷するのではなく、書の各線の特徴を深く読み解く点にあります。各筆運びや墨の濃淡、かすれ、余白といった要素を考慮しながら、布の種類や染料、加工方法などを組み合わせることで、書の持つ独自の表現を引き出します。これによって、書が布の上で新たな生命を得るのです。
さまざまな素材とその技術
展覧会では、阿波和紙や箔、フロッキーなど、さまざまな日本の素材が使用されます。例えば、阿波和紙の独特な繊維感が書に立体感を加え、箔は光の加減で異なる輝きを見せます。そしてフロッキーは、書の線に立体感を与える役割を果たします。これらの技法は、装飾的な要素を超えて、書の持つ感情やメッセージをより深く伝えるための重要な要素となっています。
中心作品「わたしたちのくに」
会場の中心には、大判の布作品「わたしたちのくに」が設置されます。ここでは「心」と「国」という二つの文字が掛け合わさり、観覧者にとって故郷や居場所、記憶について問いかける仕掛けが施されています。文字は固定された状態から解き放たれ、布の揺れや光の反射によって、新たな表情を楽しむことができます。鑑賞者は展示物の間を歩き、各作品に触れることでその質感を直接体験し、より深い理解を得ることができるのです。
日本文化を現代に伝える
小澤はこれまで、国内外での作品発表や公開講座を通じて、書の魅力を広めてきました。今年の展覧会では、日本の素晴らしい素材や職人の技、さらにはその背後にある文化そのものを発信することが目的です。公式Webサイトでは、日本語と英語の両方で情報を発信するとともに、SNSを使った広報活動も行われます。
この展覧会には、書の伝統を現代的に解釈し、新たな価値を生み出すための多くの要素が詰まっています。アートや文化に興味のある方は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。これからの展覧会は、小澤蘭雪の作品だけではなく、他のアーティストたちの新たな視覚的体験をも提供することでしょう。
開催情報
- - 会期: 2026年10月6日(火)〜10月11日(日)
- - 会場: 代官山ヒルサイドフォーラム(東京都渋谷区猿楽町18-8 ヒルサイドテラスF棟)
- - 入場料: 無料
- - 公式サイト: こちら
皆さんの参加をお待ちしています!