AMDDが描く2025年の医療の未来とヘルスリテラシー向上の取り組み

AMDDが描く未来

一般社団法人米国医療機器・IVD工業会（AMDD）は、2025年の活動方針を盛り込んだ年頭記者会見を2025年1月10日に開催しました。会長の玉井孝直氏は、記者会見の中で、AMDDがどのような理念のもとで、どのような環境を築こうとしているのかについて説明しました。特に「価値に基づく医療（Value-Based Healthcare）」の重要性、メドテックのイノベーション促進、国民のヘルスリテラシー向上に向けた取り組みなどが取り上げられました。

超高齢社会とメドテックの役割

2040年には日本の高齢者の割合が増え、3人に1人が65歳以上になる見込みです。このような背景の中、持続可能な社会保障制度と国民の健康を守るために、メドテックの存在意義は一層重要になっています。AMDDは、これに対して国民のQOL（生活の質）向上や経済発展に貢献することを目指して継続的に努力していく方針です。

パネルディスカッションでの重要な意見

会見後半では、「メドテック：イノベーションと情報の価値」と題したパネルディスカッションが行われました。小野崎耕平氏と宿野部武志氏を迎え、学識経験者や患者の視点からメドテックに関するさまざまな意見が交わされました。

特に小野崎氏は、ヘルスリテラシーの重要性を強調し、患者が適切な治療法を選択できるようにするためにも、正確で信頼性のある情報提供が急務であると指摘しました。また、玉井氏は、日本の医師の意見をもとに製品が開発され、国際的な手術現場でも活用されていることを説明し、日本市場における競争力強化のための取り組みを伝えました。

ヘルスリテラシー向上の取り組み

AMDDは、日本における質の高い医療と持続可能な医療財政の均衡を図りながら、「価値に基づく医療」の実現を推進しています。その一環としてヘルスリテラシーの向上を目指し、患者が信頼できる情報に基づいて治療選択ができる環境作りを進めています。

2025年に向けた注力分野

2025年に向けて、AMDDは以下の3つの領域に取り組む予定です。 1) 診療報酬改定に向けた提言、2) ヘルスリテラシー向上に向けた活動、3) デジタルヘルス領域における情報収集・分析。これにより、患者にとって必要な医療機器や体外診断用医薬品の技術革新を促進し、医療現場におけるイノベーションを届けることを目指します。

AMDDの理念と目的

AMDDは、「日本を、もっと健やかに」というミッションのもと、価値ある医療テクノロジーと情報を提供し、より健康で幸福な社会の実現に貢献します。新たに策定された「私たちの思い」では、人生100年時代において、健康に、幸せに生きがいを持って生きられる未来を共に築く決意が表明されています。

AMDDは、多様な団体や個人と手を携えて、質の高い医療と持続可能な社会保障制度の両立に向け、さらなる活動を進めていきます。これからの医療を支える力として期待されるAMDDの今後の動向に注目です。