自然と共生する未来を目指して
2025年12月6日、国立大学法人岡山大学は徳島県三好市で「おかやまシネコカルチャー(協生農法)プロジェクト」を発表しました。このプロジェクトは、内閣府の支援を受けて運営されており、耕作放棄地の再生と自然との共生を目指しています。岡山大学は、地域と協力してこの取り組みを広めていくことを決意しました。
三好市のありのままの風景
三好市は、棚田の美しい景観が特徴的で、世界農業遺産にも認定されています。かつては豊かな農業文化が息づいていましたが、現在では多くの耕作地が分散し管理が難しい状況です。こうした問題に対して、「シネコカルチャー」という自然と共生した農法の導入が有効と考えられ、市の課題解決につながることが期待されています。
シネコカルチャーの理念
シネコカルチャー(Synecoculture)は、自然の生態系を取り入れ、多様な作物を共生させて育てる農法です。この理念は、参加者にもシェアされ、質疑応答を通じて地域の皆さんとの意見交換が行われました。特に、岡山大学の農学部や経済学部の学生、地域おこし協力隊のメンバーなど、さまざまな立場の人々が参加しました。
ワークショップの様子
今回のワークショップは、株式会社MOAIとの共同で実施されました。この企業は、資源循環を基盤にした持続可能なビジネスモデルの構築を目指しており、地域資源の活用に貢献することを目的としています。
参加者たちは、棚田の一角に畝を作り、ビワやブルーベリーといった作物を植える作業を共同で行いました。このような地道な活動が、三好市におけるシネコカルチャーの実証試験の第一歩となりました。
コミュニティとのつながり
特に注目すべきは、今回の取り組みに参加した地域農家や住民の方々の熱意です。現地から参加した約30人が世代や立場を超えて協働し、地域ならではの疑問や実践に関する意見を交えながら、新たな農業の形を模索しました。
今後の展望
岡山大学は、今後も一般社団法人シネコカルチャーおよび地方自治体、企業、地域団体と連携しながらさらなる取り組みを推進する意思を表明しています。この協同プロジェクトを通じて、自然共生と地域文化の再生を目指しながら、持続可能な地域社会の形成に貢献していく所存です。
私たちは、このプロジェクトが地域に新たな価値をもたらし、未来の持続可能な社会の実現に寄与することを期待しています。岡山大学の今後の活動にぜひご注目ください。