清涼飲料業界の物流改革と環境への配慮
昨年11月、アサヒ飲料、伊藤園、キリンビバレッジ、コカ・コーラ ボトラーズジャパン、サントリー食品の5社が共同で『社会課題対応研究会』を発足させ、物流2024年問題など複数の社会課題に対する取り組みを始めました。これにより、飲料業界は取り扱う商品の製造から消費者の手元に届くまでの過程に関して、環境への配慮を強化しています。
物流2024年問題を克服するために
近年、物流業界は急速に変化していますが、特に2024年に向けた規制強化が特に注目されています。トラックドライバーの人手不足や運転時間の制約が、荷物の待機時間や荷役作業を増加させる原因となっています。この問題を解決するため、5社は物流パートナーとの連携を強化し、具体的な目標に向けた削減策を推進しています。
- - 待機時間削減: 残念ながら多くのトラックが荷物を届けるために待機する時間が長くなっていますが、5社は平均で約40%の待機時間を削減しました。
- - 荷役作業の削減: 本来の運転業務以外に行う荷積みや検品、ピッキングなどの作業件数も同様に、約30%の減少を達成しています。
これらの数字は、企業間の協力による成果として評価されており、物流の効率化に大きな一歩を踏み出しています。
環境に優しい輸送方法
さらに、この研究会では、異業種間での共同配送や往復輸送を推進しています。2024年7月からは、伊藤園と日清食品、サントリーグループとダイキン工業など、異なる企業間での輸送が開始され、相互に資源を活用することで、より効率的な物流を実現しています。
以下は今後の主な取り組み予定です:
- - 2024年7月:伊藤園×日清食品の往復輸送
- - 2024年8月:コカ・コーラ ボトラーズジャパン×伊藤園の共同配送
- - 2025年2月:キリンビバレッジ×花王の共同配送
このような試みを通じて、業界全体が一丸となって環境への負荷を低減し、持続可能な社会づくりに寄与しています。
課題解決に向けた継続的な努力
社会課題の解決は一企業だけでは困難であるため、研究会は定期的に省庁や異業種の物流研究会と情報交換を行い、課題の解決策を模索しています。これにより、個々の企業だけでなく、業界全体の問題解決につながることを目指しています。
これからも、飲料業界の5社は消費者の期待に応え、環境への配慮を重視しながら持続可能な社会に向けた事業活動を続けていきます。物流の効率化と環境保護の両立は、今後の社会における重要なテーマとなり、業界が果たすべき使命であると言えるでしょう。