AI電話で受診前相談を実現
国内医療現場において、電話相談の需要が高まっています。毎日、約60万件の電話相談が全国の病院で発生し、多くの医療従事者が電話対応に追われています。特に、受診の判断を必要とする相談が急増しており、その結果、患者自身の不安や医療従事者の業務負担が増加する一方です。
新サービスの概要
Dr.JOY株式会社は、この問題に対処するため、沖縄県浦添市の浦添総合病院と連携し、AIを活用した受診前相談サービスの実証を開始します。このサービスでは、AI電話を通じて患者が事前に相談できる仕組みを提供し、AIが通話内容を解析して重症度や相談の要点を整理したレポートを看護師に提供することが特徴です。これにより、看護師は重症度の高い患者を優先的に対応し、待機時間を減らすことが可能になります。
受診相談の現状
日本では、1病院あたり平均で25時間もの電話応対が発生しており、この業務負担は看護師のストレスの一因となっています。特に、夜間や休日に症状が悪化するケースでは、患者は不安から救急外来に向かうことが多く本来は軽症であるにもかかわらず、医療現場に負担をかけています。この新サービスは、緊急度の推定と受診先の案内を自動的に行うことで、医療従事者の負担を軽減します。
実証プロジェクトの目的
本サービスは、「すべての医療従事者に、次の一手を」という理念のもと、沖縄県の「令和7年度テストベッド実証支援事業」に採択されています。実証を通じて得られたデータや知見をもとに、2026年度には全国展開が予定されています。このプロジェクトは、看護師の業務負担を軽減し、患者満足度の向上を目指しています。
学会での発表予定
さらに、このAI電話受診相談サービスは、2025年11月28日から29日に開催される「日本医療マネジメント学会 第22回九州・山口連合大会」においても紹介される予定です。企業展示やランチョンセミナーを通じて、多くの医療関係者にその機能と効果を紹介します。
まとめ
受診に対する不安は、昼夜を問わず存在します。特に、小さなお子さんを持つ家庭では、いつどのように動くべきかに迷うものです。AI電話による相談機能の向上は、患者にとっても医療現場にとっても大きなメリットとなるでしょう。今後も新しい医療サービスの拡充を進め、医療の質の向上に寄与していく所存です。これからの進展が期待されます。