クリエイター実態調査の10年
協同組合日本イラストレーション協会(JILLA)が実施した「クリエイター実態調査アンケート」は、2014年から続く重要な研究です。この調査は、イラストレーター、グラフィックデザイナー、Webデザイナーなど多岐にわたるクリエイティブ業務に従事するフリーランスや自営業者の声を集め、業界の現状を数値として可視化することを目的としています。2024年で10年を迎えるこの調査は、過去の結果と比較して、クリエイターを取り巻く環境がどのように変わってきたのかを探ります。
調査レポートの内容
2024年度のレポートでは、特に「回答者の属性」と「仕事について」のデータがフォーカスされています。この10年で、多くの変化がクリエイターの働き方や市場環境に影響を与えてきました。女性クリエイターの比率が上昇し、副業が定着したこと、SNSを使った営業方法の進化、そして新しい収益構造の変化などが取り上げられています。
主要トレンドの概要
1. 女性クリエイターの増加
調査によると、2014年の女性クリエイターの比率は55.6%でしたが、2024年には64.6%に上昇しています。これは、クリエイター層の構成が青年層へシフトしていることも意味しています。
2. 若年者の独立
新たに独立するクリエイターの多くは、開業年齢が25〜34歳で約6割を占めており、今まで以上に早く独立する傾向が顕著です。特に、勤務経験なしで初めてフリーランスになるケースも増加しています。
3. 副業の定着
副業を持つクリエイターの割合は、以前の約7割から5割に減少しましたが、副業と本業を両立させる働き方が一般化しています。クライアントとのトラブルが少なくなっていた時期もあったものの、最近の調査では再び増加の傾向が見られます。
4. SNS活用の深化
作品の発表や販路開拓では、SNSが最も効果的な手段となっています。特に、SNSを通じた海外からの直接受注は、コロナ禍の影響を経て回復し、過去最高水準に達しています。
5. 個人商店との取引拡大
出版社や広告代理店に加えて、個人との直接取引が大きく増加しています。個人商店との取引数は、この10年で三倍以上に増加しており、クリエイターにとって新しい市場の一翼を担っています。
6. 売上構造の変化
過去の調査では「年商500〜1000万円未満」が最多でしたが、現在ではこの層が減少し、売上100〜300万円以下の比率が上昇しています。これにより収益構造が変化してきたことが望まれます。
今後の展望
本調査から明らかになったのは、過去10年間でクリエイターの働き方、取引先、営業手法、及び収益の構造が大きく変化しているということです。今後もJILLAはこの調査を継続し、クリエイターに関する様々な実態を把握し続ける予定です。調査結果の詳細は公式ウェブサイトからPDF版として無料でアクセスできますので、ぜひご覧ください。
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