高島屋・東神開発都市文化賞の設立
2023年、高島屋とその子会社である東神開発が共同で設立した「高島屋・東神開発都市文化賞」は、現代の都市文化を再考するための新しい試みです。この賞は、単なる著作物の顕彰にとどまらず、都市文化とは何かを問い続けることで、社会と文化の結びつきを深めることを目的としています。
設立の背景
現代の都市文化は、かつてのように明確な定義を持たなくなり、多くの人々にとってその意味は曖昧になっているのが現実です。高島屋と東神開発は、こうした曖昧さを出発点とし、都市文化への「継続的な問い」を組織的に行う場を設ける必要があると考えました。彼らの目指すのは、自らの企業活動と社会の調和を図り、文化の発展に寄与することです。
賞の形式と内容
「都市文化賞」は、選考を通じて現代の都市文化を独創的に分析した著作物を顕彰します。毎年1月以降に刊行された日本語の著作が対象となり、優れた表現活動を受賞対象とします。審査は、専門家からなる委員会が担当し、受賞者には賞状や記念品に加えて副賞として100万円が贈呈される予定です。受賞記念イベントも開催され、この場が都市文化への興味や理解を深める機会となります。なお、本賞は公募制ではありません。
審査員の紹介
審査員には、多彩なバックグラウンドを持つ専門家が参加します。例えば、建築史や建築批評の第一人者である五十嵐太郎氏は、記憶や体験の重要性を強調し、「都市文化とは何か」を問い続けることの意義に触れています。また、写真家の大山顕氏は、都市における表現と体験の関連を解明する重要性を訴えています。そのほかにも彫刻家、漫画家、文化社会学者など多様な視点を持つ審査員が参加し、都市文化の新たな命題を浮かび上がらせます。
新しい文化の芽
今回の取組みは、都市文化に対する消費や経済、文化の交錯を探ることで、豊かさの意味や文化の価値を再評価する意味を持ちます。そして、この賞を通じて、多くの人々が都市文化について考える機会を得ることを願っています。特に、企業と社会の関係を再考する場を提供することが、この賞の大きな意義と言えるでしょう。
期待される未来
高島屋と東神開発が共に手掛ける「都市文化賞」は、都市の在り方や文化の公私を問う新たな刺激を提供するプロジェクトになることが期待されます。また、賞のロゴには、創業期の高島屋の精神を継承する願いが込められ、流動的な都市文化の象徴として多様な表現を重ねることを意図しています。今後の展開にぜひ注目してみてください。
このように、「高島屋・東神開発都市文化賞」は、ただの賞を超え、私たちが生きる都市の文化を再考する大事なきっかけとなることでしょう。都市文化への関心を呼び起こすこの賞の取り組みに、多くの人々が参加していくことが望まれます。
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詳細や最新情報については、高島屋の公式網站やSNSをチェックしてください。都市文化に興味がある方は、この賞を通じて新たな発見を見つけられることでしょう。