京の美術館で体験する根付の世界「根付の幸せ」展の魅力
京都に位置する清宗根付館では、現代の根付を中心に、その魅力を存分に味わえる企画展が毎月開催されています。2026年の1月から3月にかけては、特に目を引く特別企画「根付の幸せ」展が予定されており、新しい年の訪れに合わせて根付に描かれた「幸せ」の姿を探ります。特に2月は、この特集の一環として「笑いを誘う根付」をテーマにした展示が行われます。
根付は日本の伝統工芸の一つで、ポータブルな装飾品として古くから愛されてきました。その魅力は、洒落やユーモア、そして時には意表を突くデザインにあります。これらの作品は、見る者の感性を揺さぶり、時には新たな価値観を提供してくれます。この「笑い」に関するテーマは、人々が心を開き、場を明るくする力を持っており、長い間日本文化に親しまれてきました。根付の世界で言う「ひねり」という表現は、まさにその特性を表しています。
根付は、意匠、造形力、構成が高度に組み合わさることで、手の中に凝縮された独自の世界観を創出します。この精神性は、歴史的な背景をもちながら、現代の根付師たちにも脈々と受け継がれています。彼らは制作過程でさまざまな工夫を凝らし、鑑賞者に小さな幸せや気づきをもたらす作品を作り出しています。
本展では、根付に込められた知恵や、対象への深い愛情、そして造形の美しさを存分に楽しんでいただける内容となっています。それでは、展示されるいくつかの根付作品をご紹介しましょう。
展示される根付作品の一部
河馬蒲焼
- - 作者: 森 謙次(1974〜)
- - 大きさ: 高さ 5.0cm
- - 素材: イスの木、紫檀、黄楊、鹿角
この作品は、河馬と蒲焼が合体したユーモラスな駄洒落を表現しています。天然素材の色合いをここまで活かしつつ、巧みに組み込む職人の技も見事です。
天愚
- - 作者: 及川 空観(1968〜)
- - 大きさ: 高さ 3.5cm
- - 素材: 朝熊黄楊、鹿角、へご
大天狗にあこがれる烏天狗が、必死で鼻を長くしようと奮闘しています。しかし、指を離せば本来の姿に戻るというメッセージが込められています。
一休虎退治
- - 作者: 森 哲郎(1960〜)
- - 大きさ: 高さ 3.5cm
- - 素材: 象牙
江戸時代の禅僧、一休さんの機知に富んだ行動を描いた作品です。屏風に描かれた虎を捕まえるという命に対し、一休さんは「虎を追い出す」とユーモラスに応えます。
ひと休み
- - 作者: 宮澤 彩(1949〜)
- - 大きさ: 高さ 3.6cm
- - 素材: 象牙
戦後日本のミステリーを代表する作家、読書を楽しむ河童の姿を描いた可愛らしい作品です。
招本
- - 作者: 髙木 喜峰(1957〜)
- - 大きさ: 高さ 2.6cm
- - 素材: 象牙
この作品は「招き猫」が本を作っているという見立てを表現したもので、本好きの作者の想いが込められています。
清宗根付館のご紹介
清宗根付館は、佐川印刷株式会社の名誉会長、木下宗昭氏によって設立された美術館で、日本の文化と伝統を保存することを使命としています。京都市内にあるこの美術館では、現代の根付を400点展示し、地域に開かれた活動を展開しています。
住所: 京都市中京区壬生賀陽御所町46番地1
公式サイト:
清宗根付館
この企画展「根付の幸せ」を通じて、日本の伝統美術の奥深さを感じていただければ幸いです。ぜひ、お立ち寄りください。