学修成果可視化に向けた尚美学園大学の取り組み
近年、大学教育において学修成果の可視化が求められる背景には、教育改善を目的とする新たな評価システムの必要性があります。尚美学園大学では、この流れを受け、2027年度からの学修ポートフォリオシステムの本格導入に向けてFD研修を行いました。この研修は、教員がシステムの目的や活用方法を理解し、教育活動に役立てることを目的としています。
学修成果の可視化が求められる理由
日本の大学では、中央教育審議会の答申や認証評価基準に従い、学修成果の把握と教育改善へのフィードバックが求められています。しかし、現場では以下のような課題が存在しています。
- - 学生のメンタリング記録や指導情報が分散している
- - 教職員間での情報共有が手間
- - 学生の成長や学びが見えにくい
こうした状況を踏まえ、尚美学園大学では学修ポートフォリオシステムの導入を決定しました。
FD研修の内容と目的
FD研修は、教職員の理解を促進するために約70名の参加者を集めて実施しました。研修では、学修ポートフォリオシステムが「何を改善可能か」「教職員の実践とどうつながるのか」といった視点で議論されました。
このシステムは、学生が自身の学びと成長を振り返り、自己理解を深めるための基盤を提供します。実際、学生の多くが自己の強みや将来の方向性に悩む中で、可視化された学修成果は大きな支えとなるでしょう。
教職員にとってのメリット
学修ポートフォリオシステムは、学生だけでなく教職員にも多くの利点をもたらします。具体的には、以下のような点があげられます。
- - 成績や面談記録を一元管理し、準備の負担が軽減
- - 面談の質が向上し、一貫性のある指導が可能に
- - 早期に支援が必要な学生を把握し、迅速に支援の手を差し伸べられること
- - 教員間・部署間での情報共有を促進し、教育支援を組織的に行う
アンケートから見える期待と課題
FD研修後に行ったアンケートにおいて、教職員からの反響は非常にポジティブでした。特に、88.1%の教員がシステムを「使ってみたい」と回答し、導入への期待感が高まりました。一方で、実際の運用に際しては負担や継続的な活用に関する懸念も捉えられました。
関心が広がる一方で具体的な運用設計や方針の明確化が求められることも指摘され、今後の展開には注意が必要です。
学修成果MOEの活用
尚美学園大学では、ハーモニープラスが提供する「学修成果MOE」を導入することで、学修成果を明確に可視化することを目指しています。このシステムは、定量的かつ構造的に学修成果を整理し、教育改善に貢献します。実際の運用では、学内の状況に配慮した設計が重要とされるでしょう。
まとめ
尚美学園大学の取り組みは、学修成果の可視化によって教育の質と学生支援を向上させることを目指しています。導入は始まりに過ぎず、課題解決に向けた運用設計が成功の鍵を握ります。教育環境の質を向上させるために、教職員・学生が一体となって取り組む姿勢が求められています。