「定着の壁」を越えた先に
企業の持続的な成長には、優れた人材の定着が不可欠です。しかし、シナジーマーケティング株式会社の実態調査によると、マーケティングや広報などに従事するビジネスパーソンの71.7%が「定着の壁」に直面していることが明らかになりました。この調査は全国の1,000人を対象に行われ、ノンコア業務の増大や引き継ぎ課題が定着意向に及ぼす影響について詳しく把握しています。
定着の壁の厳しい現実
本調査によれば、業務環境を理由に離職を考える人々の中で、ノンコア業務が70%以上を占める層は77.9%という高い離職意向を示しています。ノンコア業務とは、企業の利益に直結しないが事業運営には欠かせない業務—例えば、操作や設定、エラー対応など—を指します。40.0%の回答者が業務時間の半分以上をこのノンコア業務に費やし、労働生産性に対する影響が懸念されます。こうした業務が増えることにより、企画や戦略の立案といった本来の業務に充てる時間が縮小し、業務に対する負荷が増加しています。
引き継ぎの課題
特に引き継ぎ時のトラブルが、さらなる離職意向を生み出す要因となっています。調査で明らかになったのは、前任者が使いこなせていないツールやマニュアルが存在しないこと、目的不明な機能が残っている等の課題です。引き継ぎ課題が存在する層では42.2%が離職意向をもつのに対し、問題がない層ではわずか6.4%と、大きな差が示されました。
若手人材の問題意識
興味深いことに、経験年数1年以上3年未満の層における業務環境を理由とした離職意向は67.8%と、他の層と比較しても特に高い数値が記録されています。これは、仕事に慣れてきたタイミングで業務環境に対する問題意識が急速に高まることを示唆しており、「育ち始めた人材が離れてしまう」という深刻な状況を示しています。
課題を克服するための3つの実践指針
この調査結果を踏まえ、定着に向けた具体的な方針として以下の3つが提案されています。
1.
作業割合の可視化: ノンコア業務がどのくらい業務時間を占めているかを明確にし、工数逼迫の実態を理解する。
2.
運用設計の基準としての定着しやすさ: 誰でも引き継ぎやすく、迷いにくい環境を整えることで、属人化を回避する。
3.
顧客と向き合う時間の再確保: 効率化で生まれた時間を無駄にせず、本来の業務に集中するための環境作りを進める。
まとめ
このレポートは、企業がDXやツールの導入を「終わり」ではなく、「持続的な運用」として考え、現場が抱える問題を正面から見つめ、対策を講じることの重要性を説いています。詳細な調査レポートについては、こちらから無料でダウンロードできます。さらに、これを踏まえたオンラインセミナーも予定されており、診断・解決策を探る良い機会と言えるでしょう。現場が「資産」として機能するためには、まずはこの「定着の壁」を越えなければなりません。