シニア層に見る防災意識と行動のギャップ
近年、自然災害の頻発により、防災への意識は高まっていますが、その実態はどうなのでしょうか。コスモヘルス株式会社が運営する「コスモラボ」による最新の調査結果が発表され、特にシニア世代の防災対策に関する状況が浮かび上がりました。
シニア層の防災意識
調査結果によると、シニア層の約79%が「非常に意識している」か「やや意識している」と回答しました。この数字は、近年の大規模な災害報道の影響を示していると考えられます。その一方で、意識だけでは不十分であることも明らかになっています。
備蓄状況の実態
実際の備蓄状況に目を移すと、「最低限は備えている」との回答が最も多く(56.5%)、「しっかり備えている」という割合はわずか5.6%に留まったのです。そのため、高い意識を持ちながらも、実際には非常に不十分な状態であることが浮かび上がります。これは、高齢者が自主的に防災行動を起こすための取り組みが必要であることを示唆しているのです。
災害時の情報源
災害が発生した際に、どのように情報を収集しているかについても調査されました。その結果、最も多くのシニアが利用する情報源は「テレビ」で55.6%が利用し、次いで「ラジオ」が37.9%、役所や自治体からの情報が32.0%となっています。これからも伝統的なメディアが重要な役割を果たすことを示す結果です。
課題と展望
この調査から得られた結果を踏まえ、問題点が浮き彫りになりました。それは高い防災意識に反して、備蓄が十分ではないということです。特に、過去の経験から「飲料水」や「食料」が不足したと感じたシニアが多く、これが災害時の第一の関心事であることが分かりました。これらの基本的な生活必需品の備蓄を強化するための啓発活動や支援も求められるでしょう。
結論
シニア層の防災意識は高いものの、実際の備蓄が追いついていない現状が明らかになりました。今後は、シニア向けの具体的な防災対策の推進や、地域の支援も重要です。コスモラボは、このようなシニア層の防災対策への理解と行動を促すため、さらなるリサーチを続けていくことが求められています。
また、全調査結果の詳細については、コスモラボのホームページからPDF形式で無償でダウンロード可能です。自分自身の防災について考えるきっかけとして、多くの方に利用していただきたいと思います。