2026年卒大学生の就職活動：安心感とアグレッシブさの両立

2025年度卒業を控えた大学4年生や大学院生計1,008名を対象に、株式会社リクルートマネジメントソリューションズが行った「2026年新卒採用大学生の就職活動に関する調査」の結果が発表されました。この調査は、若者が企業選びや働き方に求める価値観の変化を捉えた興味深い内容となっています。

二面性のある価値観：安心感とアグレッシブな姿勢の共存

調査によると、2026年卒の学生たちは、「安心感」を重要視しつつも、「アグレッシブさ」も求める二面性の価値観を持っていることが浮き彫りになりました。具体的には、働く上で求める社風は『協調/調和』を望む傾向が強まり、12年前と比較しても『相互の思いやりやオープンなコミュニケーション』が重視されています。一方で、安定性を最も求める要素とする回答も多く、特に「安定」が過去10年で最も高い選択肢に。これに対抗するかのように、近年は「チャレンジ」や「理想」など、よりアグレッシブな要素の人気も上昇しています。この結果は、単に安心して働ける環境を求めるだけなく、その中で成長や挑戦を追求したいという意欲の表れではないでしょうか。

企業選びの基準の変化

2026年卒学生の企業選びの動機にも変化が見られました。応募の際のきっかけとして最も多いのは「興味のある仕事・職種」で、次いで「勤務地」に対する関心が高まっています。さらに、知人の勧めや先輩の紹介も重要な要素とされ、より多様化した応募方法が見受けられます。企業へのアプローチとして、デジタル化が進む中で、学生たちが自分にマッチする企業と早く出会いたいという意欲が高まっているのが要因とされています。

自分が働くイメージを持てるかが決め手

内定を受け入れる決定要因は、「自分のやりたい仕事ができるか」が最も高い評価を受けており、昨年までの「社員や社風の魅力」が順位を下げて5位にランクインしました。このことから、学生たちが企業を選ぶ際、企業の魅力よりも、自分が実際に働く姿を具体的にイメージできるかどうかが重要になりつつあることがわかります。

情報開示の進展

調査では、学生の8割が就職活動中に「社内の人間関係や職場の雰囲気」を把握できたと回答しています。2025年卒のデータと比べ、知ることができた割合は増加しており、企業側がその情報を積極的に発信していることが反映されています。このように、求人活動におけるリアルな情報の開示が進んでいることは、学生の就業選択にも良い影響を与えていると考えられます。

まとめ

本調査による2026年卒大学生の就職活動に代表される現象は、安心感を重視しながらも挑戦を求める姿勢が見えます。企業は、これらのニーズに応えるための柔軟な働き方や、魅力的な労働環境を整備する必要があるでしょう。学生とのより良いコミュニケーションを築くために、企業はこのような調査結果をもとに採用活動を見直すことが求められます。