岡山大学が地域の脱炭素化を目指す人材育成で新たな取り組みをスタート
岡山大学は、地域の持続可能性を高めるため、ちゅうぎんフィナンシャルグループとひろぎんホールディングスとの共同で、カーボンフットプリント(CFP)算定に関する人材育成プログラムを始めました。このプログラムは、地域の脱炭素化を支援するための人材育成を目的としています。
この取り組みは、2025年に締結された「山陽地域のサステナビリティ推進に向けたパートナーシップ協定」の一環として位置づけられています。これにより、地域全体での脱炭素化を実現するための専門知識や技術を持った人材が育成されます。
このプログラムには、岡山大学から天王寺谷達将准教授と舩倉隆央副本部長が参画しており、学術的な視点から支援を行います。特に、舩倉副本部長は「カーボンフットプリント起点の価値創造」をテーマに、製品やサービスのライフサイクル全体を通じての排出量の可視化が持つ意義について講演しました。
また、11月13日に行われたキックオフセミナーでは、サステナブル経営推進機構の仲井俊文氏が講演し、地域金融機関が脱炭素経営の支援において果たすべき役割について述べました。このセミナーには、約100に及ぶ支店からの行員・社員が参加し、地域に根ざした金融機関の意義が強く感じられる場となりました。
今回の人材育成プログラムは、学術研究機関と金融機関が協力し、地域の企業と共に脱炭素化を進める新しい試みです。学生が地域企業と協働して進めているCFPチャレンジを通じて、企業が自らの事業構造を理解し、新たな価値の源泉に気づくことができるという点でも重要な取り組みとなっています。
さらに、このプログラムは「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」の一部として位置づけられ、大学院での研究と実務を両立させることで、地域社会へ貢献する重要な意味を持っています。2026年3月までに企業へのCFP算定支援を行う予定であり、この活動が地域の脱炭素化に向けた新たな展開を生み出すことが期待されています。
国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の実現を目指す中で、岡山大学は今後も地域企業や行政、金融機関と連携し、強力に地域の脱炭素化を推進していきます。今年度の採択からわずか一年で拡大した連携の輪が、さらなる広がりを見せることを確信しています。皆さんもぜひ、岡山大学の取り組みに注目していただきたいと思います。
岡山大学は、地域住民と共に新たな価値を創出し、持続可能な社会の実現に向けて進化し続けています。これからの活動にご期待ください。