富士通の全社DX推進にWalkMeを活用
富士通株式会社が発表した「OneERP+」は、全社的なデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させるための業務プロセス改革プロジェクトです。このプロジェクトにおいて、デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)であるWalkMeが導入され、業務効率の飛躍的向上が期待されています。
プロジェクトの背景と目的
富士通では、2020年から「OneFujitsuプログラム」を通じて全社にわたるDXを進め、各業務プロセスの標準化を図ってきました。その中で「OneERP+」は、SAP S/4HANAを中心に、さまざまなクラウドサービスを統合し、データ駆動の経営を実現することを目標としています。このプロジェクトでは、12万人以上の従業員が対象となり、全社一体で業務プロセスを変革するスケールの大きさが特徴です。
WalkMeの役割
WalkMeの導入により、業務プロセスの標準化とユーザーエクスペリエンス(UX)の向上が図られています。具体的には、利用状況の可視化や常に改善を施すことが可能になるなど、システムの定着を早期に進めるための強力なツールとして機能しています。特に、SAP S/4HANAに関するお客様からの問い合わせは、最初の月には15,000件でしたが、WalkMeのサポートにより、3ヶ月後には3,000件まで削減されました。
変革の課題と解決策
一方で、業務プロセスを新たなクラウド標準に合わせるにあたっては、従業員の混乱やシステム変更に対する抵抗感が大きな課題となります。富士通は、この混乱を最小限に抑えるため、WalkMeを利用して全社が一貫したUXを享受できるようにしました。これにより、利用者はシステム変更に対する不安を軽減し、安心して業務に取り組むことができる環境が整えられています。
今後の展開
今後、富士通は2025年以降を見据え、オセアニア、シンガポール、タイなどでのグローバル展開を計画しています。その際にもWalkMeの分析機能を活用し、常にUXを改善する取り組みを続けることで、DX推進を強化していく方針です。
コメント
富士通の橋本千加子氏は、「OneERP+」は全社の業務プロセスを一体的に変革する大規模なプロジェクトであり、ユーザーの混乱を抑えることが成功の要因だと語ります。さらにWalkMeについて、「システム変更に頼ることなく、ユーザー体験を向上させる仕組み」と位置づけ、全社の業務プロセスの標準化に寄与しているとし、今後の展開に自信を見せています。
また、WalkMe株式会社の代表取締役である小野真裕氏は、ものすごい規模の変革プロジェクトにWalkMeが貢献できたことを誇りに思っていると述べ、今後もデジタル変革を支え続ける意気込みを示しています。
まとめ
デジタル技術の進化が進む中、企業の変革は不可欠です。富士通の「OneERP+」プロジェクトにおけるWalkMeの役割は、単なるツールの導入にとどまらず、企業文化や業務プロセスの根本的な変革に向けた重要なステップです。未来の業務環境を見据え、進化を続ける富士通の取り組みに注目が集まります。