電通総研、AI機能強化の原価分析システムを発表
2021年から展開している、製造業向けの品目別実際原価分析システム「ADISIGHT-ACS(アディサイト エーシーエス)」が、さらなる進化を遂げます。電通総研(東京都港区)が発表した最新版は、独自開発のセマンティックモデルを活用したAI機能を拡充し、2026年6月5日から提供を開始することが決定しました。
このシステムのバージョンアップの目的は、製造業が抱える複雑な課題に迅速に対応し、経営判断の高度化を図ることです。昨今の製造業は、サプライチェーンの不安定化や原材料費の高騰、人手不足などの社会的な問題に直面しており、状況に応じたタイムリーな原価計算が極めて重要です。
AI機能の強化はなぜ必要なのか?
製造業のSAPユーザーにとって、原価管理はビジネスの根幹ともいえる重要な要素です。SAP製品を使用する企業では、原価手法の理解が経営戦略に直結します。最近では、製造原価の把握が難しくなる一方で、変化の激しい市場環境に適応するための分析能力が求められています。このような課題を解決するために、電通総研は「ADISIGHT-ACS」の向上版を提供しようとしています。
バージョンアップ版の主な機能
1. 熟練者のスキルをAIが再現
AIは、経験豊富な熟練者のノウハウを学び、それを元に高精度な原価計算や分析を実現します。従来の糸口に依存せず、誰でも同じ視点やロジックを使用できるという新しい作業の形を提供します。
2. 変動する条件への対応
生成AIを使った解析では、外部や内部要因を考慮した分析が可能になります。たとえば、原油価格の変動や為替リスクなど、さまざまな条件による影響を可視化し、トレンドに沿った判断がしやすくなります。
3. 自然言語による対話機能
専門知識の無い担当者でも手軽に使えるインターフェースを目指しました。誰でも容易に質問し、明確で精度の高い回答が得られるのも大きな特長です。また、重要なデータや分析の指針を提供し、職務の効率性を向上させます。
このように、電通総研は製造業のニーズに応えるべく、AIを利用した新しい原価分析の形を提供しています。企業の持続的成長をサポートする姿勢には今後も期待が寄せられます。特に、各種課題を解決するためのテクノロジー活用の進展は、今後の業界全体にとって新たな展望を切り拓くことでしょう。
今後も電通総研は、AIを駆使したソリューションを展開し、製造業の価値向上に寄与することを目指しています。