東京ガスが誇る高耐食性ヒーターの革新
東京ガス株式会社とその子会社、東京ガスエンジニアリングソリューションズ(TGES)が開発したのは、世界初の特殊セラミックを用いた高耐食性小口径ヒーター、C-SERT-H-Leptosです。この新しいヒーターは、リチウムイオン電池の電極材の焼成工程において要求される高い耐食性能を実現しています。これにより、従来のヒーターに比べて交換サイクルが大幅に延長されることが期待されています。
高耐食性の秘密
新たに開発されたヒーターは、常圧焼結SiC(シリコンカーバイド)を発熱体として採用しています。これにより、アクティブ酸化やリチウムアタックといった厳しい条件下でも安定した性能を維持します。この耐食性によって、ヒーターの寿命が大幅に延び、交換の手間やコストを削減することが可能となります。
リプレースの簡便さ
C-SERT-H-Leptosヒーターは、既存のノリタケ社の連続焼成炉RHKとの互換性に優れており、リプレースが非常に容易です。これにより、ヒーターの交換に伴う稼働停止を最小限に抑えることができるため、生産性の向上が期待できます。従来は数カ月ごとに交換が必要だったヒーターが、年単位のメンテナンスが可能となるため、企業は一層の効率化を図ることができるのです。
多様な応用可能性
東京ガスとTGESは、このヒーター技術をリチウムイオン電池の焼成だけでなく、高温条件下での安定した熱処理が必要な電子材料や半導体などの製造プロセスにも応用することを目指しています。この新技術によって、多様な高機能材料の生産が進むことで、各業界の進展に寄与することでしょう。
環境への配慮
さらに、C-SERT-H-Leptosは、エネルギー効率の向上にも寄与するとされています。都市ガス燃料型と水素燃料型がラインナップされており、特に水素燃料型はゼロカーボンを実現可能としています。これにより、サステナブルな社会の実現に向けた大きな一歩を踏み出すことができるのです。
LEDの先進技術のように、新しいディスプレイが登場したり、電気自動車の普及が進むなかで、ヒーターという小さな部品の進化がどれほどの影響を持つか、東京ガスとTGESの新技術から目が離せません。これからのエネルギー効率や環境性能が求められる中で、この高耐食性ヒーターは、その先駆けとなることが期待されています。