小学生が映像制作で学びを深める新しい試み
静岡県函南町立桑村小学校で、『Movie Communication Program by SHOOTEST』(以下『MCP』)が導入されました。このプログラムは、映像制作を通じて子どもたちのコミュニケーション能力や表現力を育むことを目的としています。
昨今、文部科学省の「GIGAスクール構想」に伴い、全国の小中学校で児童一人一台の端末が配布され、様々なデジタル教育が進んでいます。その中にあって、MCPは新しい「アウトプット型学習」を提供し、子どもたちが自分の思いや考えを他者に伝える力を育成しています。
MCPの特長: アウトプット型教育のモデル
MCPでは、プロのクリエイターを講師として招き、映像制作の過程を通じて情報発信の基本や必要なコミュニケーションスキルを学ぶことができます。具体的には、リサーチや構成といった前段階から始まり、実際の映像制作に必要な知識を身につけることが重視されています。
本プログラムを通じて、子どもたちは学校の魅力を自ら発見し、それを動画として発信することが求められます。自分たちの言葉で学校の良さを伝えることで、地域の同年代の子どもたちに親しんでもらうだけでなく、卒業後に自信を持って出身校を語れるようになることが期待されています。
地元に貢献する媒体としての映像
函南町立桑村小学校の関口直校長は、MCPの導入を決めた背景には、卒業生が中学校に進学する際に学校名が認知されない現状を打破するための思いがありました。子どもたちが自分の学校の魅力を深く理解し、それを映像という形で発信することで、桑村小学校への親しみを育むことが目的です。
MCPでは、授業の中でフィールドワークや情報収集を行い、実際に取材を通じて自らの言葉で学校の魅力を語る機会を設けています。クラスメートと協力しながら、情報を収集し、整理する能力も養われます。
学びを深める実践的なカリキュラム
MCPのカリキュラムは、映像制作の過程を段階的に学ぶことができるように設計されています。以下のプロセスで進められます:
1.
桑村小学校の魅力を伝える(個別探求、グループワーク)
2.
フィールドワークと情報収集
3.
動画作りに必要な知識を学ぶ(企画・撮影・編集)
4.
絵コンテ作成と撮影計画
5.
情報リテラシーを学ぶ
6.
動画を撮影
7.
動画の編集
8.
フィードバックを実施し動画を完成させる
このように、MCPは段階的にスキルを身につけることができる体系的なプログラムであり、最終的には地域に向けて動画を公開することを目指します。
子どもたちの成長を期待
関口校長は、今回のプログラムを通じて、子どもたちが社会で生きる力を身につけることができると強く期待しています。「自分自身の表現力の幅を広げ、地域の良さを発信することで、自信と誇りを持って生活していける子供に成長してほしい」と述べています。
MCPは、学校教育におけるデジタルスキルと表現力の重要性を再確認させる一歩となることでしょう。これからの時代に必要な「伝える力」を子どもたち自身が学び、培っていくこのプログラムは、地域に新たな風を吹き込むことが期待されています。