ドンバスから宇宙へ
2025-07-16 15:54:55

ウクライナのアーティストが描く「ドンバスから宇宙へ」個展、新宿・歌舞伎町で開催

Marko Kolomytskyi 個展『Из Донбасса в Космос(ドンバスから宇宙へ)』



2025年7月18日から8月3日まで、新宿・歌舞伎町のアートスペース「デカメロン」にて、ウクライナ出身のアーティスト、Marko Kolomytskyiによる個展が開催されます。本展のテーマは「ドンバスから宇宙へ」というもので、彼の独自の視点から表現されたアート作品群が並びます。

Marko Kolomytskyiとは


コロミツキーは1999年にウクライナのドンバスで生まれました。17歳で国を離れ、韓国や中国、日本、カナダ、フランスなど、多くの国を拠点にしながらアート活動を行っています。現在はパリ国立高等美術学校のDNSEP課程に通っており、言語や政治的記憶、形而上的なコミュニケーションに関する問題意識をもとに、インスタレーション、サウンドアート、版画、パフォーマンスなど多岐にわたる手法で作品を創り出しています。

展示作品の背景


コロミツキーが成長したドンバス地区は、豊かな自然資源を有する一方で、戦争や社会的対立が絶えない地域でもあります。彼は、この地に根付く集団的トラウマに直面しながら、ロシア宇宙主義などの思想に触れ、芸術を通じて自らの存在意義を問い続けてきました。特に、彼が影響を受けた言葉「Death is a mistake(死は誤りである)」は、個展における彼の作品の中心テーマとなっています。

「亜鉛の市民」の概念


比較的最近の彼の作品は、“Citizen Zinc(亜鉛の市民)”という概念に基づいています。コロミツキーは、「戦争や官僚制度、見捨てられた存在を持つ者たち」を象徴するこの名前を通じて、不死や肉体的復活を目指しています。本展では、“Citizen Zinc”をテーマにしたリトグラフや、彼の制作のためのマニュアル、さらには生命の限界を超えようとする試みの一環としてのモニュメントも展示されます。

現代社会への批評と希望


コロミツキーの作品は、現代の社会に対する批評を含むだけでなく、新たな希望のあり方を提示します。彼のアートは、多くの制約を乗り越えて独自のビジュアルイメージを構築しており、それは観る者に深い思索を促すものとなっています。この展覧会を通じて、彼の思想や哲学が直接感じられる貴重な機会です。

デカメロンについて


「デカメロン」は、2020年にオープンした新宿・歌舞伎町のアートスペースで、ボッカッチョの物語にちなんだ名称を持ちます。展示は2階にあり、1階のバーはアーティストや訪問者が交流する場として機能しています。昨年からはギャラリースペースの拡張も行い、実験的な現代アートの展覧会を続けています。デカメロンは、新しいアートの潮流を発信する重要な場所となっています。

展覧会の詳細


  • - 会期: 2025年7月18日(金)から8月3日(日)まで
  • - 会場: デカメロン
  • - 住所: 東京都新宿区歌舞伎町1丁目12-4
  • - 営業時間: 20:00~27:00(休廊日:月曜日)

この個展は、Marko Kolomytskyiの独自の視点とアートを体験できる貴重な機会です。ドンバスの記憶と宇宙へのビジョンが交錯する作品群にぜひご期待ください。


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