東京圏のIT人材、地方副業や移住に高い関心を示す理由とは

東京圏のIT人材に見る地方移住と副業の関心

最近、レバテック株式会社が実施した調査結果によると、東京圏に住むIT人材の約4割が地方移住や二拠点生活に対して前向きな姿勢を示していることが分かりました。今、何がIT人材を地方へと引き寄せているのでしょうか。具体的なデータとともに、その背景を探っていきます。

IT人材の地方移住への関心

調査によれば、東京圏に住むIT人材の約40%が地方に移住することに「非常に関心がある」か「やや関心がある」と回答しています。理由として最も多く挙げられたのは、リモートワークの普及ですが、これにより「働く場所にこだわる必要がなくなった」と感じるようになったようです。特に52.5%がこのことを挙げており、その次に多い回答が「自然豊かな環境への魅力」を感じることで49.2%に達しています。

加えて、36.9%の人が二拠点生活への関心を示しています。二拠点生活を望む理由には「心身のリフレッシュやストレス軽減」と「プライベートと仕事で居住地を使い分ける」意欲が特に強いようです。このように、リモートワークの浸透は、IT人材の働き方やライフスタイルを大きく変化させています。

地方での副業への関心

調査の結果、東京圏のIT人材の約46%が、リモートで地方企業の案件に関与したいと回答しています。新しいネットワークの構築を期待している人が多く、これは46.4%にのぼります。さらに、地方への移住や二拠点生活の可能性を探る意欲も34.8%と意外に高い結果となっています。

しかし、半数以上が「副業が会社で認められていない」と回答していることは、興味を持っている人が多い一方で、実際には企業の制約によって行動に移せていない現状を示唆しています。

フリーランスとしての地方貢献

フリーランスとして地方企業で働くことに関心を持つIT人材も41.2%に達し、その理由としても「新しいネットワークの構築」が51%と最も多いました。次いで「移住の可能性を探りたい」との回答が44.4%であり、「地方創生に興味がある」との意見も25.9%ありました。このように、IT技術を通じて地方への貢献意欲が伺える結果となっています。

地方で働くIT人材の将来展望

興味深いことに、地方で働くIT人材の約7割が、今後もその地域で働き続けたいと回答しています。良かった点として「住み慣れた地域での生活」と「親の近くでの仕事」を挙げる意見が多く、通勤時間の短縮も大きな魅力の一つとしていることが分かります。慣れ親しんだ環境での生活が、地方勤務のベースとなっているのでしょう。

まとめ

調査により、東京圏のIT人材が地方副業や移住に関心を持っていることが浮き彫りになりました。これにより、地方のIT人材不足の解消や産業の活性化が期待される一方で、企業がいかに柔軟に対応するかが重要な課題となっています。また、デジタル庁が推進する「デジタル田園都市国家構想」が掲げるように、デジタル技術を通じた新たなビジネスモデルの構築が求められる時代に突入しています。今後は、IT人材と地方企業が相互に利益を見出しながら、共に成長する道を模索していくことが求められています。