西宮市と連携したCO2フリー電力調達の成功事例

西宮市とエナーバンクの新しいエネルギー協定

兵庫県西宮市は、株式会社エナーバンクと協定を結び、公共施設におけるCO2フリー電力の調達に成功しました。この取り組みは、持続可能な社会の実現に向けた重要な一歩として注目されています。

CO2フリー電力とは、温室効果ガスの排出をゼロにする電力のことです。エナーバンクは、リバースオークションサービス「エネオク」を用いて、公共施設向けの電力を調達しました。このサービスにより、複数の小売業者が入札を行うため、より安価な契約を獲得することが可能になりました。

伝統的な入札式では価格競争が難しい中、リバースオークションでは売り手が価格を下げて入札するため、効率的な価格設定が実現しました。今回の入札では、スタート価格が約1788万円であったのに対し、落札価格は約1348万円となり、24.6％の削減を達成しました。

西宮市は、2050年を目標に「ゼロカーボンシティ」を宣言しています。市の長、石井登志郎市長は、地域の事業者や住民と共に、CO2排出量を実質ゼロにするための具体策を計画しています。これに基づく第二次西宮市地球温暖化対策計画が策定され、必要な施策が進められています。

令和5年3月には第4次の実行計画が策定され、役所自身の温室効果ガス排出量の削減も進められます。この計画により、2028年度には温室効果ガスの排出量を2013年度比で65％以上削減することを目指しています。

CO2フリーの電力プランは、通常の電力メニューよりもコストが高くなる傾向がありますが、エネオクの利用により、適正価格での調達が可能になっています。これにより、公共施設の電力コストを抑えながら、環境への負担を減らすことができるのです。

エナーバンクは今後、同様の仕組みを他の公共施設にも導入し、段階的にリバースオークションを拡大する方針です。こうした取り組みを通じて、西宮市の共同体全体で環境負荷を低減しつつ、持続可能なエネルギー社会の実現を目指していきます。

西宮市とエナーバンクの連携によるCO2フリー電力の導入は、地元の再生可能エネルギー活用の一例です。今後も、地域全体でエネルギーの持続可能性を追求していくことが求められます。このような取り組みは、他の自治体にも波及し、全国的なゼロカーボン社会の実現につながることが期待されています。