歯科プレスセミナー
2025-11-20 14:07:18

歯科医療の未来を探る第16回歯科プレスセミナーの開催

歯科医療の未来を探る第16回歯科プレスセミナーの開催



2025年10月28日火曜日、東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷およびオンラインにて「第16回 歯科プレスセミナー」が開催されました。本セミナーのテーマは「口腔細菌が全身にもたらす影響」で、約70名の報道関係者が参加しました。セミナーは一般社団法人日本私立歯科大学協会が主催し、歯科医療の現状や未来についての重要な知識を共有することを目的として開催されました。

学術的な基調講演



この日の基調講演は、日本歯科大学生命歯学部の教授、沼部幸博氏によるものでした。演題は「口腔細菌と全身疾患の関係から考える歯科医療の未来」。沼部氏は講演の中で、歯周病が全身疾患に与える影響について詳細に述べました。特に、歯周病が「人類史上最も感染者の多い感染症」としてギネス認定されているという衝撃的な事実を紹介し、歯科医療における認識の重要性を強調しました。

歯科医師の現状はどうなっているのか?



講演後にはパネルトークも行われ、現役の歯科医師や研究者たちが集まり「口腔から考える全身の健康」というテーマで意見交換が行われました。コーディネーターを務めた宇田川信之氏をはじめ、羽村章氏(一般社団法人日本私立歯科大学協会会長)、花形哲夫氏(花形歯科医院院長)、塚崎雅之氏(昭和医科大学教授)が参加しました。

日本が超高齢社会を迎える中、健康で長生きするための歯科医療の役割が重要視されています。セミナーの冒頭で羽村氏は、歯科医療の果たす役割の重要性が広く社会に認知されつつあることを強調しました。

医科との連携の重要性



櫻井孝氏(一般社団法人日本私立歯科大学協会副会長)も登壇し、歯科医師の現状についての説明を行いました。日本の歯科医師界では、徐々に高齢化が進む中で、地方の歯科医師不足が深刻化していることが明らかになりました。特に、団塊世代がリタイアする時期を迎え、歯科医師の数が減少している現状が報告されました。このような背景から、訪問歯科診療の需要が高まっている一方で、十分な供給が行われていない現状も指摘されました。

歯科医師の役割は、単にむし歯を治すだけでなく、災害歯科や摂食・嚥下リハビリテーション、睡眠歯科など、幅広く活躍しています。このような多様な分野での人材不足が深刻化していることも話題に上りました。

健康寿命を延ばすための提案



沼部氏は、歯周病治療における新たな考え方「マイクロバイオーム標的療法」についても触れ、口腔細菌叢と腸内細菌叢のバランスを改善することが健康寿命の延伸に寄与する可能性を説明しました。これは、口腔内での健康維持が全身の健康と密接に関わっているとの見解に基づくものです。

パネルトークでは、医師と歯科医師の連携の重要性が再確認されました。特に高齢者医療においては、口腔内の管理が全身の健康維持に直結するため、今後は医科歯科連携が不可欠であるとされました。

参加者からの反響



最後に、参加者からはセミナーを通じて得た知識を日々の診療や健康維持に活かしていきたいという感想が多く寄せられました。また、セミナーは健康的な生活を送るための意義を再認識する良い機会となったとの声も聞かれました。

今後も一般社団法人日本私立歯科大学協会は、歯科医療の実践と研究を通じ、国民の健康に貢献することを目指して活動を続けていくでしょう。これからの日本において、歯科医療が果たすべき役割はますます重要になることが期待されています。


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