フィルム型ペロブスカイト太陽電池が風車タワーに設置する実験が始まる

フィルム型ペロブスカイト太陽電池の新たな挑戦

2025年2月24日、鹿児島県南九州市に位置する頴娃風力発電所で、積水化学工業株式会社、四電エンジニアリング、そして頴娃風力発電の3社が共同でフィルム型ペロブスカイト太陽電池の設置に関する実証実験を開始しました。この試みは、2050年までに脱炭素社会を実現するという大きな目標に向けた一環として行われています。

1. 環境問題に対する新たなアプローチ

近年、気候変動の影響を深刻に受ける中、持続可能なエネルギー源の確保が喫緊の課題となっています。再生可能エネルギーはその解決策として重要視されていますが、日本の地理的特性により、平地の面積が限られているため、従来型のシリコン太陽電池では設置可能なエリアが少なく、再エネ導入が制約されていました。

そんな中、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の登場が注目されています。軽量で柔軟性に富むこの新しい太陽電池技術は、これまで設置が難しかった様々な場所への適用を可能にし、再エネルギー拡大の有力な選択肢として期待されているのです。

2. 実証実験の内容

積水化学が製造するフィルム型ペロブスカイト太陽電池は、四電エンジニアリングの施工技術によって頴娃風力が運営する風車タワーの側面に設置されます。このプロジェクトでは、施工の容易さや火山灰などによる表面の汚れに対する防汚機能を評価し、耐久性を測定します。

実際の設置作業はすでに行われており、設置完了したペロブスカイト太陽電池の様子が確認されています。これにより、風車タワーという新たな場所を活用した再エネの導入が進むことが期待されます。