インバウンド交流の実態
2025-07-14 10:56:43

訪日観光客とのコミュニケーション増加、受け入れの背景とは?

インバウンド最前線:訪日観光客に話しかけられた日本人の現状



近年、訪日観光客はコロナ禍を経て急速に増加し、日本国内での交流も活発化しています。株式会社oneが実施した「インバウンド時代の日本人の意識と行動調査」によると、今年に入って訪日観光客に話しかけられた経験のある日本人は全体の25.0%に達しました。この調査は、全国1,000人の男女を対象に行い、インバウンド市場の現状とそれに対する日本人の意識を探るものとなっています。

訪日観光客との自然なコミュニケーション



調査結果によると、訪日観光客に話しかけられたシーンの中で最も多かったのは「道を聞かれた」というもので、全体の72.8%がこの体験を挙げています。このように、訪日外国人とのコミュニケーションが日常的になった背景には、観光地だけではなく、私たちの身近な空間でも外国人と接する機会が増えていることが挙げられます。残りの質問では、写真撮影の依頼や買い物についての質問も多く見られ、普段の生活の中で少しずつ国際交流が生まれていることがわかりました。

緊張と楽しみが混在する瞬間



訪日観光客に話しかけられた時の感情について尋ねたところ、43.6%の人々が「緊張した」と回答した一方で、「楽しかった」と感じた人も31.6%、「嬉しかった」とした人も28.8%という結果が得られました。日本人は、異文化交流に戸惑いを覚えながらも、他国の人々とのふれあいの中に新しい発見を見いだし始めているのかもしれません。

急増する外国人観光客への複雑な心境



一方で、訪日観光客が増えることに対しては必ずしも歓迎の声ばかりではありません。「訪日観光客が増えるのは嬉しくない」と答えた人は全体の65.2%にのぼり、不安の要因としては「マナー」や「治安」、「混雑」が挙げられました。特に、オーバーツーリズムによって生活環境が影響を受けるのではないかという懸念が強いようです。

しかしながら、訪日観光客の増加が地域経済や文化交流にとってのチャンスであるとの意見も多く見受けられ、国際化の可能性を感じている人も少なくありません。観光業界への期待感や、日本の魅力を海外に発信する機会として捉えている声もあり、国際的な視野を持つことの重要性が浮き彫りになりました。

日本の魅力を見直すきっかけ



調査では、訪日観光客が増えることによって改めて認識された日本の魅力も顕在化しました。全体の40.0%が日常のマナーやルールに魅力を感じ、また交通の正確さや歴史的な神社仏閣の美しさなどが評価されていることがわかりました。特に、自国の文化や習慣に対する誇りを持つ日本人が増えていることも、観光産業の成長とともに重要な発見です。日本人が自らの文化を再評価し、誇りを持つきっかけになっているのです。

次世代への期待



調査結果からは、世代間での意識の違いも見えてきました。特に10代から20代の若者は、観光地よりも日常的な場所に興味を示し、現地の人とのふれあいを求める姿勢が強いことが特徴です。このような交流は、若い世代が観光を単なる「観るもの」とは捉えず、「体験し、交流すること」として楽しんでいることを示唆しています。

観光がもたらすのは、訪れる人々との“発見”だけでなく、迎える私たちにも新たな“気づき”や“誇り”を与えてくれるものです。これからの観光立国を目指す日本にとって、異文化理解や交流を楽しむという新たな感覚の形成が、ますます重要になってくるでしょう。インバウンド時代の日本人の意識と行動を探るこの調査は、観光産業における新たな方向性を示唆しているのかもしれません。


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