新しい試み「推し活」プラットフォームの構築
地域活性化に向けて、株式会社JTB、NTTテクノクロス株式会社、そしてビットトレード株式会社の三者が共同で研究に取り組んでいます。このプロジェクトは、ファンの消費活動を通じて地域経済を持続的に活性化させることを目的とし、特に「推し活」なる文化を鍵としています。
推し活の魅力と課題
「推し活」とは、自身が応援するキャラクターやアーティスト、アイドルに関連した活動を楽しむ行為を指し、それが経済的な効果を発揮しています。例えば、聖地巡礼やイベント参加などの形で、多くのファンが地域を訪れ、地域経済に波及効果をもたらしています。しかし、その一方でオーバーツーリズムの問題や、一過性の流行に留まるケースも多く、地域に持続可能な経済効果をもたらす仕組みが強く求められていました。
こうした現状を受けて、本共同研究ではファン、プロダクション、地域サービス事業者という三者が参加しやすく、人々の熱意を形にするプラットフォームの構築に挑戦しています。実現に向けては、ブロックチェーン技術を活用し、ファンの参加や貢献が見える化される仕組みを作ることが目指されています。
共同研究の具体的な内容
この構築を進めるために、様々な施策が検討されています。具体的には、NFT(非代替性トークン)を利用し、以下の流れを実現します。
1. プロダクションからファンへの「推し活」の動機づけ
2. ファンによる地域サービスの消費
3. 地域サービス事業者からプロダクションへのインセンティブの付与
4. プロダクションからファンへの特典付与
このように、各関係者間の活動が循環し、持続的な経済効果が生まれることを目指しています。
期待される効果
本プロジェクトの目的は多岐にわたりますが、主に以下の点が挙げられます。まず、ブロックチェーンによる透明性の担保により、さまざまなプロダクションや地域サービス事業者が安心して参加できる環境を提供します。また、三者の活動に基づく持続可能な経済の形成を支援し、オーバーツーリズムへの対策や地域ブランディングにも寄与することが期待されています。
ファンの関与を深める施策としては、実績がNFTに紐づけられることで、ファンは自らの推し活の活動を通じて得た特典や達成感を感じることができます。プロダクションは、ファンへの特典提供を通じてエンゲージメントを強化することが可能です。
各社の役割と今後の展開
JTBは地域の観光資源やネットワークを活用し、地域サービス事業者とのコラボを促進。NTTテクノクロスはプラットフォームの設計・実装を担当し、ビットトレードは暗号資産との連携を図ります。今後、年内に実証実験を行い、地域資源を活用したビジネスマッチングの促進を図る方針です。
この新しい試みが地域経済にさらに活力をもたらし、ファンの期待に応える仕組みが形成されることを心より期待しています。