新製品Xpack登場
2025-10-30 08:34:23

IPG Automotiveが新たに統合した「Xpack」製品ラインの全貌とは

IPG Automotiveが新たに統合した「Xpack」製品ラインの全貌とは



2025年10月21日、ドイツ・カールスルーエにて、IPG Automotiveが全てのハードウェアポートフォリオを統合した新たな製品ライン「Xpack」を発表しました。これによって、旧製品であるXpack4を含む既存のソリューションや、これからの開発はすべて新しい「Xpack」ブランドに統一され、未来に向けての明確な指針が示されています。

Xpack製品ラインの目的と特長



今回の「Xpack」製品ラインは、特に広範なHIL(Hardware-in-the-Loop)アプリケーションに向けて、シンプルかつ効率的な統合を実現します。これにより、さまざまなテストやシミュレーションプロセスにおいて、高速かつ正確に車両システムを検証できる基盤が提供されます。

この新たなラインナップの中で、特に注目すべきは「Xpack Real-time System(Xpack RTS)」です。このモジュール式のリアルタイムシミュレーションプラットフォームは、車両開発における主要なHILアプリケーション全般で活用されます。柔軟なアーキテクチャにより、複数のCPUコアを効果的に利用し、CompactPCI Serialに基づくバックプレーンが特長です。これにより、複雑な車両システムを効率的にテストすることが可能となります。

さらに、Xpack製品ラインには革新的な「Enhanced Real-time PC(Enhanced RTPC)」も新たに追加されました。最新技術を駆使したこのプラットフォームは、12個のCPUコアを搭載し、高度な並列処理を実現しています。これにより、複雑なモデル計算においても高パフォーマンスを保ちながら、アダプタブリッジを通じてXpack RTSへの直接接続も可能です。それによって、最大限の計算能力と正確なIOインターフェースを提供します。

将来を見据えた統合技術



このXpackシステムは、高いデータ転送能力を誇り、PCIeベースのモジュールに加えて、自動車業界で一般的な通信規格との互換性も備えています。また、MACsecなどの統合セキュリティ機能も装備し、ソフトウェア定義車両(SDV)の開発に向けた将来性を確保しています。IPG AutomotiveのハードウェアプロダクトマネージャであるFlorian Weindel氏は、「Xpackにより、既存及び新規のハードウェアソリューションをシームレスに結合する高速プラットフォームをお客様へ提供します」と、自信を持って語っています。

多彩なハードウェアと柔軟なモジュール設計



「Xpack」には、Xpack RTSやEnhanced RTPCに加え、多様なセンサ信号を迅速に算出する「SensCompute」、電気的故障をシミュレーションする「Fail Safe Tester」、専用のHILラックなどが含まれ、これらはすべてIPG Automotiveの実績あるハードウェアソリューションです。この製品ラインは個々のニーズに合わせた柔軟な適応が可能であり、自動車開発のあらゆる分野でのテストやシミュレーションを強力にサポートします。

IPG Automotiveのこれから



IPG Automotiveは、バーチャル・テスト・ドライビング技術のリーダーとして、その革新的なシミュレーションソリューションが世界中で高い評価を受けています。これにより、自動車業界に対し、快適性や安全性、環境への配慮などの視点から、未来のモビリティを形作る重要な役割を果たしています。特に、自動運転車やADAS、パワートレイン、ビークル・ダイナミクスといった分野での専門知識をもとに、世界中のクライアントやパートナーとの共同で新しい開発策を模索しています。

これからの自動車開発において、IPG Automotiveの「Xpack」は、ますます重要な存在になることでしょう。これからの進展から目が離せません。


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