食米からの日本酒
2025-06-13 11:19:14

食米から生まれた新しい日本酒がフランスで最高評価に輝く

食米から生まれた新しい日本酒がフランスで最高評価に輝く



神奈川県伊勢原市に本社を置く吉川醸造は、フランスの日本酒コンクール「Kura Master 2025」で栄誉ある第1位を受賞しました。日本酒といえば専用の酒米から造られるのが一般的ですが、吉川醸造は食米を使った日本酒に挑戦し、その成果が世界的に認められたのです。

食米を生かした醸造技法の挑戦



一般に日本酒は「酒造好適米」と呼ばれる特別なお米を利用します。この酒米には「心白」と呼ばれる中心部があり、麹菌の発酵に非常に適しているため、良質な日本酒が生まれやすいのです。しかし、吉川醸造はこれまでの常識を覆し、さらにお米の良さを引き出すための新たな取り組みに挑戦しています。

同酒造は、極力お米を削らない「低精白酒」(精米歩合90%程度)を醸造し、「雨降」や「菊勇」といった銘柄で数々の国際コンクールで高評価を受けてきました。最近では、神奈川県産の「はるみ」や台湾産の「台南16号」といった食米を用いて、新たなお酒の開発に取り組み、その味わいは飲み手を驚かせています。

今回の第一位を獲得した「菊勇 辛口純米酒」は、コシヒカリやササニシキといった食米を使い、伝統的な「生酛」に現代的な低温長期発酵を組み合わせたお酒です。この手法は、米の特性を最大限に引き出すために、従来とは異なるアプローチを導入しています。

Kura Master とは



「Kura Master」は、フランスで開催される日本酒や焼酎のコンクールで、2017年にスタートしました。フランスの食文化を背景に、飲食との相性を重視した審査が行われています。今回の審査には、フランスの名シェフやソムリエら135名が集結し、1083の銘柄がブラインド・テイスティングで評価されました。

吉川醸造の日本酒がこの名誉ある賞を獲得したのは、多くの努力と革新が実を結んだ証です。特に、ミックス米を使用した日本酒はその特性から、製造の難しさがありましたが、それを乗り越えた結果が高い評価へと繋がりました。

伝統と革新の融合



吉川醸造の歴史は大正元年にまで遡ります。創業以来、同社は精緻な醸造技術を駆使し、時代に合わせた変革を遂げてきました。コロナ禍で一時は事業存続の危機に瀕しましたが、再起を図り新たなブランドを立ち上げることで再び注目される存在となりました。日本の伝統と革新を融合させた取り組みが今後の日本酒文化に新たな風を吹き込むことを期待しています。

終わりに



吉川醸造のこれからの展開に目が離せません。「食米から造る日本酒」の魅力を最大限に引き出し、さらなる挑戦を続ける彼らの姿勢は、多くの日本酒ファンに新たな可能性を感じさせてくれます。食品の多様性が求められる中で、日本酒もまた、より広い世界へと歩みを進めることでしょう。


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