月経周期と女性アスリートのケガリスクに関する新たな研究成果

女性アスリートと月経周期の関係に関する重要な研究

株式会社ユーフォリアの研究開発センターは、女性アスリート300名を対象にした長期的な調査を実施し、月経周期とスポーツ外傷・障害の関連性を検証した結果について発表しました。特に、月経周期の中で排卵期におけるケガリスクが最も高いことが明らかとなりました。この研究は、米国の学術誌『Medicine & Science in Sports & Exercise』に発表されています。

背景と研究の目的

この研究を行う背景には、女性アスリートが月経周期によって影響を受ける可能性があることに関する認識が高まってきたことがあります。しかし、長年にわたりスポーツ界では月経が競技の妨げとして軽視され、適切なケアが行われていないのが現状です。そのため、多くの女性アスリートが健康リスクに直面しているのです。これらの問題を解決するため、ユーフォリアでは「月経と女性アスリートの外傷・障害の関係性」に焦点を当てた調査を行いました。

この研究の目的は、月経と外傷・障害の関連を明らかにし、女性アスリートが競技生活の中でケガを防ぐために必要な情報とサポートを提供することです。研究参加者は、大学生以上の球技系の女性アスリート316名でした。

研究の方法と結果

調査は約1年間行われ、正確な月経周期に基づいて外傷・障害が発生しやすい時期を検証しました。結果として、正常な月経周期を持つ場合、外傷・障害のリスクは月経周期の中で「排卵期」が最も高いことが判明しました。特に関節捻挫や靭帯断裂のリスクは、排卵期において他の期間に比べて2.7倍も高かったことが明らかになりました。

さらに、追跡期間中に約4分の3の参与者が月経周期の異常を経験しましたが、希発月経や無月経の状態では新たな外傷・障害が発生するリスクが低かったことも注目に値します。

今後の展望

女性アスリートにとって重要なのは、特に排卵期のリスクを理解し、適切なケアを行うことです。ユーフォリアは、この研究結果を元に、アスリートやその指導者への啓発活動を進めていきます。月経周期を記録すること、基礎体温を測定すること、そして排卵期の特性に応じたトレーニング方法の導入などが推奨されています。

今後は、なぜ排卵期に外傷・障害が増えるのかについてのさらに深い研究も進められる予定です。ユーフォリアは、こうした研究を通じて、女性アスリートが健康で安全に競技を続けられる環境を整えていくことを目指しています。