2027年卒業生は「メーカー」を狙う！就活実態調査が示す新たなトレンド

2027年卒の学生たちがどのような意向を持っているのかを探るべく、株式会社ワンキャリアが実施した就職活動に関する調査結果が公開されました。この調査は、2025年5月に行われ、690人の大学生と大学院生からの有効回答を基にしています。本記事では、調査結果の重要なポイントを整理し、今後の就活トレンドについて考察していきます。

就職活動の早期終了希望が高まる

調査によると、なんと34.5%の学生が「2026年1〜3月」までには就職活動を終えたいと考えています。さらに、2026年1月以前に終わらせたいという意向を持つ学生を加えると、全体の42.6%が進級前に就活を完了させたい意向を持っていることがわかります。これは、学生たちが早めに就職活動を進めることにより、より選択肢の多い状況で就活を行いたいとの考えを反映しています。活動の早期化は、近年の傾向を示すものとも言えるでしょう。

メーカー人気がダントツ

調査結果では、志望業界のトップに「メーカー」が位置しています。この業界を希望する学生は全体の35.4%を占め、次いで「IT・通信」が11.3%、そして「コンサル・シンクタンク」が8.8%となりました。特に食品・飲料メーカーは、メーカーの中でも33.2%と最も高い支持を得ていることが明らかです。また、IT・通信業界の中では「システム・ソリューション」が46.4%、コンサル業界では「戦略コンサル」が42.6%でトップとなっており、各業界における具体的な人気職種の傾向も示されています。

専門性を重視した職種選択

業界選定の基準として最も重視されるのは「自身の専門知識を活かせる業界・職種」です。業界での重視度は34.2%、職種においては43.0%がこの価値を認めています。この数値は、前回の調査からも大きく増加しており、特に職種においては28.2%からの上昇が顕著です。これは、自分の能力や専門知識を活かしたいという学生が増えてきていることを示しています。

転職を意識した就活の実態

また、調査では約3人に1人が将来の転職を視野に就職活動を行っていると答えています。一方で、42.8%の学生は「いいえ」と答え、22.6%が「未定」としています。企業はこれらのデータを踏まえ、学生に長期的なキャリアパスを示し、選ばれる存在になるための戦略が求められる状況です。

企業と学生のコミュニケーションの重要性

ワンキャリアの東諒太朗氏は、早期化する就活において、学生たちが自身のキャリア観を確立するためには、インターンシップや企業説明会などの参加が重要であると述べています。これらの活動を通じて、自分自身の目指す業界や業種の輪郭が形作られていきます。

企業側は、学生が自身の軸を整理する手助けをし、同時に自社の特性や魅力を効果的に伝える手法を考えることが大切です。