マテリアルズ・インフォマティクスによる革新
近年、科学技術の進展により、物質の特性を解析し、最適な材料を迅速に開発する手法が求められています。特に、
マテリアルズ・インフォマティクス(MI)は、AI技術やデータサイエンスの導入によって、材料開発の新たな効率化を実現する重要な分野となっています。アキレス株式会社が山形大学との共同研究を通じてこの革新をもたらしました。
共同研究の背景
アキレス株式会社は、東京都新宿区に本社を構える企業で、長年にわたり高分子材料の研究開発に取り組んできました。AI技術を基にしたデータ駆動型研究開発の重要性が増す中、これまでの実験データを活用する新たな手法の模索を進め、山形大学理学部の鈴木郁美教授と原一夫教授との共同でMIを利用した研究開発に着手しました。
新技術の特徴
今回、アキレスが開発した技術は、データ解析の力を利用して新材料開発や既存材料の性能改善にかかる時間とコストの大幅な削減を可能にするものです。この技術は主に次の2つの予測モデルに基づいています。
1.
物性予測モデル
「ガウス過程回帰」手法を用い、実験結果の高精度な物性予測を実現しました。このモデルにより、望ましい特性を持つ材料を迅速に探索できるようになります。
2.
成功/失敗予測モデル
「ランダムフォレスト」技術を活用し、実験結果を分類することで、特定の研究の成功確率を事前に知ることが可能となります。これにより、無駄の少ない実験設計が実現します。過去の成功データだけでなく、失敗データも分析に加えることで、予測精度が高まっています。
実験による成果
共同研究では、ポリウレタンフォームの実験データを用いて、この新技術の有用性を検証しました。その結果、本技術を用いることで、従来の開発手法では1年以上かかった物性が、わずか3カ月で得られることが確認されています。これにより、MIを活用した材料開発の新たな可能性が開かれました。
優れた適応性
MI技術のメリットは、経験豊富な研究者に限らず、誰でも高い成果を上げることができる点にあります。過去の実験データを学習し、知識や経験に依存しない形で機能するため、多様な研究者が利用可能です。これにより、効率化が進むだけでなく、研究の質も向上します。
今後の展開
アキレスは、確立したこの技術を社内での高分子系有機材料の開発や、工場における加工条件の最適化にも応用することを目指しています。顧客や社会のニーズに対し、一層迅速に応える製品の開発を進めていくことを宣言しています。今後の展開が非常に楽しみです。
お問い合わせ先
アキレス株式会社のこの新しい取り組みに関する詳細は、公式ウェブサイトをご覧ください。
アキレス株式会社公式サイト
本件に関するお問い合わせは、アキレスの広報部までどうぞ。