発酵甘味料の製造に革新!
リジェネソーム株式会社は、金沢工業大学および株式会社オリゼと共同で、発酵甘味料製造における麹菌の新しい選抜方法を特許出願しました。この方法は、麹菌のDNA指標と酵素活性を組み合わせることで、より効率的な選抜が可能になります。日本の発酵食品の中でも特に重要な存在である麹菌は、甘酒や甘麹などの自然な甘味を生み出す役割を担っています。
麹菌にまつわる背景とは?
麹菌、特にアスペルギルス・オリゼは、日本酒や味噌、醤油などの製造に欠かせない微生物の一つです。最近では、米のデンプンを麹の酵素で糖化させて作る甘酒や甘麹が注目されています。これらの製品は、砂糖を使用せず、自然な甘みを提供するため、国内外で需要が高まっています。しかし、発酵甘味料の甘さや品質は、麹菌が分泌する糖化酵素の働きに大きく影響されます。
現在の課題と新しいアプローチ
発酵甘味料の品質を向上させるためには、適切な麹菌株の選抜が不可欠ですが、従来のPCR法では複数のアルファ-アミラーゼ遺伝子が非常に相似しているため、個別の株を見分けることが難しいという課題がありました。また、遺伝子のコピー数だけでは酵素の生産量を予測できないため、経験や複雑な全ゲノム解析に頼らざるを得ないという実情がありました。
今回の特許で主張されているのは、麹菌が持つ3つのアルファ-アミラーゼ遺伝子座の周辺領域に着目し、それぞれの領域を判別するためのPCR増幅パターンと、製麹後の糖化に関連する酵素活性を組み合わせた新しい選抜方法です。この手法により、繁雑な全ゲノム配列解析に代わって、より簡便で客観的な選抜が可能となります。
新しい選抜方法の手順
具体的な手順は次の通りです。
1. 被検株のゲノムDNAから、3つのアルファ-アミラーゼ遺伝子座周辺区域のPCR増幅パターンを取得。
2. 標準株と異なるパターンを示す株を候補として絞り込み。
3. 候補株で製麹した米麹のアルファ-アミラーゼ活性などの測定。
4. 基準株より高い表現型値を示す株を選抜。
この新手法により、実際に約2.2倍のアルファ-アミラーゼ活性を示す実用株が選抜され、成功裏に甘酒が製造されました。
今後の応用と展望
また、この新しい PCR 増幅パターンは麹菌株の識別にも利用可能で、種麹ロットの同一性確認や製造過程での品質管理にも貢献します。出願には、選抜方法に加え、麹菌の識別方法や識別用試薬セット、判別用キット等の関連技術も含まれています。
リジェネソームは今後も、この発明を基にした技術開発を進め、金沢工業大学やオリゼとの連携を通じて、麹菌ゲノム情報を活用した発酵食品の高付加価値化に取り組んでいく予定です。
リジェネソーム株式会社について
リジェネソームは、ナノ粒子を利用した老化抑制や再生医療に関する新しいソリューションの提供を目指しています。高輪ロンジェビティーラボでは、ヘルスケア事業を展開し、将来的にはメディカル領域への進出を図っています。
詳しくは、
リジェネソームの公式ウェブサイトをご覧ください。
最後に
本特許出願の結果、発酵甘味料の新たな可能性が広がり、今後の発酵食品産業にも大きな影響を与えることでしょう。自然な甘みがもたらす健康効果に期待がかかります。