無印良品が遊休資産を再生する新たな事業
無印良品を展開する株式会社MUJI HOUSEが、新たに法人向けに展開する事業「MUJI INFILL 0 一棟リノベーション」を発表しました。このプロジェクトは、法人が所有するマンションや団地などの遊休資産をリノベーションし、より高い価値を提供することを目的としています。
なぜリノベーションが必要なのか?
最近、建築コストの高騰が続いており、法人が所有する社宅や団地を新たに建て替えるには、多大な経済的負担が伴います。一方で、これらの遊休資産を長期間保有することも、新たな維持管理コストや固定資産税が発生し、経済的に厳しい状況が続いています。そこで、無印良品は、これまでの高性能リノベーションの技術と経験を活かし、法人の遊休資産の価値を向上させる新事業を立ち上げました。
MUJI INFILL 0 一棟リノベーションとは?
この新事業では、RC造(鉄筋コンクリート造)あるいはSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)の新耐震基準のマンションや団地を対象に、建物全体の資産価値を向上させることが目標です。
1. 高性能リノベーション
全戸は「MUJI INFILL 0」ZEH(ゼロエネルギー住宅)水準仕様でフルリノベーションが行われます。また、見えない不具合も適切に修繕し、高性能断熱材やインナーサッシを使用することで、断熱性能等級5以上、一次エネルギー消費量等級6の新築以上の温熱性能を実現。これにより冬でも快適な暮らしを提供します。
2. 変化に柔軟な間取り
住戸内には引戸や無印良品の家具を使うことで、家族構成やライフスタイルの変化に合わせて自由に空間を仕切ることができる可変性の高いデザインが採用されます。
3. 建物全体の魅力向上
専用部だけでなく、共用部や外装などもリノベーションされ、全体としての魅力を高める提案が行われます。無印良品の家WEBサイトやSNSを通じたPR活動や近隣店舗との連携イベントなども計画されており、居住後の楽しみを提案します。
4. 経済的メリット
高性能なリノベーションを実施することで、国の「長期優良住宅化リフォーム推進事業補助金」を活用できる可能性があり、コスト削減を図る手段としても期待されています。
北陸電力とのコラボレーション
第一弾のプロジェクトとして、北陸電力株式会社が所有する社宅2棟に対するリノベーションが予定されています。これにより、賃貸住宅として再活用されることになります。対象の物件は、性能向上リノベーションを通じて、補助金の取得も視野に入れた取り組みが行われます。また、入居者募集の際には、近隣の無印良品店舗との連携によるイベントやワークショップも予定されています。
アクアルーチェ犬島(富山県)と北安江(石川県)
このプロジェクトの対象となるのは、富山県富山市にある「アクアルーチェ犬島」と、石川県金沢市の「アクアルーチェ北安江」です。それぞれ1996年と1997年に竣工されたこれらの社宅 で、2026年にリノベーションが完了し、入居が開始される予定です。
まとめ
無印良品の「MUJI INFILL 0 一棟リノベーション」は、法人所有の遊休資産の価値を向上させる新たな試みとして、地域の活性化にも寄与することを目指しています。高性能リノベーションにより、快適で持続可能な住環境を提供するこのプロジェクトに注目が集まっています。