企業向けAIセキュリティを強化する新ソリューション「AI Cloud Protect」登場
チェック・ポイントが新たに提供するAIセキュリティソリューション「AI Cloud Protect」
チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ(以下、チェック・ポイント)は、AIファクトリー向け統合セキュリティソリューション「AI Cloud Protect」を発表しました。このソリューションは、NVIDIAの協力のもとに開発され、現在、企業のオンプレミス環境で利用できるようになっています。
AIファクトリー向けの重要な解決策
今日の企業はAIツールの導入を進めており、その結果、サイバー攻撃の新たな脅威にさらされています。チェック・ポイントが行ったデータ分析によると、生成AIプロンプトの約1.25%で機密データが漏洩する危険性があることが示されています。さらに、ガートナーの調査によれば、AIのプロンプト操作による攻撃を受けた企業は32%にも上ります。これは、AIを取り入れたシステムが直面するセキュリティ上の課題が非常に深刻であることを示しています。
そこで登場したAI Cloud Protectは、企業がAIモデルの開発、トレーニング、商業展開を行う際に必要なセキュリティを提供します。NVIDIA BlueField-3 DPUを基盤にし、CPUやGPUのリソースを消費せずに、フルスタックのセキュリティを実現する点が特徴です。これにより、これまで難しかったパフォーマンスとのトレードオフを解消しつつ、エンタープライズレベルの保護を提供します。
ネットワークレベルの保護
AI Cloud Protectは、ネットワークレベルでの保護を強化することで、AIインフラを不正アクセスやデータ汚染から守る役割を果たします。このシステムは、NVIDIA DOCAArgusのダイレクトメモリアクセスを活用し、各プロセスの可視化を提供。これにより、ホストレベルでの悪意あるプロセスを検知し、直ちに対応することが可能となります。チェック・ポイントの最高製品責任者ナタリー・クレマーも、「企業には見落としが許されない状況なので、設計段階からセキュリティを組み込む必要がある」と強調しています。
次世代のAIインフラを支える
NVIDIAのデイビッド・リーバーが言及する通り、セキュリティは次世代AIインフラにおいて不可欠な要素です。AI Cloud Protectは、将来的にはNVIDIA BlueField-4 DPUでも動作可能で、AI推論やストレージ処理においても、従来を大きく上回る性能を発揮することが期待されています。
包括的セキュリティポートフォリオ
チェック・ポイントはAI Cloud Protectだけでなく、企業のクラウドインフラやエンタープライズアプリケーションを保護するための幅広いセキュリティ製品ポートフォリオを持っています。これにより、企業はAIに対する安全な導入を支援され、インフラ、アプリケーション、ユーザーの各レイヤーでエンドツーエンドのセキュリティが提供されます。
現在、チェック・ポイントは大手企業と協力してAI Cloud Protectの試験運用を進めており、特に大規模言語モデル(LLM)の開発に焦点を当てています。この試験運用によって、AIファクトリーのセキュリティがさらに強化されることが期待されています。
まとめ
AI技術の進展に伴い、企業が導入する際のセキュリティはますます重要性を増しています。チェック・ポイントのAI Cloud Protectは、企業が自信をもってAIを導入し、イノベーションを進めるための強力なパートナーとなるでしょう。今後のAI導入に向けて、必要不可欠なソリューションを提供するこの新製品に注目が集まります。