SNS時代の対立を超える新たな舞台
現代サーカスカンパニーRoom Kids(ルームキッズ)が新作『トゥ・ルート・ディレクトリ』を8月22日から24日の3日間、シアタートラムにて上演します。本作は、SNS時代の深刻な対立構造を身体表現や映像を通じて解消することを目指しています。現代サーカスのスタイルを活用し、「連続性」の中で新しい視点を探求するこの作品は、我々の社会に対する一つの質問を投げかけています。
ジャグリングと映像で対話を図る
『トゥ・ルート・ディレクトリ』では、ジャグリングを中心に、日常的な物体や映像との組み合わせを通して、現代社会の「分断されがちな視点」に対抗する表現が試みられています。Room Kidsは、情報があふれる現代において、身体表現が私たちに何を教えてくれるのか、リアルとデジタル、感情とデータの間にある意味を再考します。観客にとって新たな体験となるでしょう。
現代サーカスの新たな魅力
近年、現代サーカスは単なるエンターテイメントでなく、感情や思想を表現するための手段として注目されています。Room Kidsが取り組む現代サーカスは、フランスなどで確立された芸術としての側面があり、ジャグリングやアクロバットの技術を通じて、我々に深いメッセージを提供します。具体的な動作や表現は、感情や思想と不可分に結びついており、一見シンプルな場面でも観客に強い印象を与えます。
二項対立を超える作品テーマ
メインパフォーマーの岡本晃樹が抽象的なジャグリング道具と日常的な物を同等に扱うことで、彼の身体すらもモノとして表現される瞬間が描かれます。現実と虚構が交わり、「これはどこまでが何か?」という根源的な問いが観客に伝えられます。この作品は、具体と抽象の関係を再定義し、我々が日常的に抱える疑問を再考させる機会を提供します。
カンパニー設立10周年の記念作
本作は、Room Kids設立10周年の集大成であり、これまでの活動の成果が詰め込まれています。Edinburgh Fringeでの受賞歴を持つ彼らが、世田谷区の後援で新たな挑戦に取り組みます。劇場公演の規模も大きく、より多くの人々にこの作品を届けるためにクラウドファンディングも行い、目標を170%達成しました。
多様な観客層を受け入れる体制
新たに観客層にリーチするための取り組みも進行中です。アーツカウンシル東京の助成金が後押しし、医師常駐の体制を整えることで、視覚や聴覚に不安のある方も安心して鑑賞できる環境を整えています。また、初心者向けのサポートや公演後のアフターイベントも企画されています。すべての人に「観る」体験を届けるための試みが、作品テーマとも共鳴しています。
観客の声を反映するキャンペーン
7月11日からは、過去のRoom Kids作品を観た観客の感想を集める「観た人の声」キャンペーンを開始しました。多くのリアクションが寄せられ、「使う光に懐かしさを感じる」や「モノとの対話の仕方を教えてくれる」など、観客の思いが作品の価値を伝えています。観劇が未経験の方にも、その魅力を届ける取り組みが行われています。
公演情報
- - 作品名:Room Kids『トゥ・ルート・ディレクトリ』
- - 日程:2025年8月22日(金)〜8月24日(日)
- - 会場:シアタートラム(東京都世田谷区太子堂4-1-1 キャロットタワー1F)
- - チケット:2025年5月18日より発売中
(詳細は
こちら)
スタッフ・出演
- - 出演者:岡本晃樹、関矢昌宏、山田タカマサ
- - 舞台監督:守山真利恵
- - 協賛・提携:世田谷文化財団、世田谷パブリックシアター
この新作『トゥ・ルート・ディレクトリ』は、見慣れない現代サーカスの魅力と、今日の社会に問いかける重要なメッセージを併せ持つ作品です。